他者の苦しみや悲嘆への共感の欠如、そしてその想像力の欠如が人間としての平和で豊かな未来への生き方を失わせる。
木村利人、「三月十日と3・11の悲嘆を越えて」、『キリスト新聞』第3260号、2013年3月2日の「論壇」より。
「三月十日」とは東京大空襲の日のこと。木村利人がある時、この日にB29に乗って東京に焼夷弾を投下したかつての少年航空兵のひとりに出会ったとき、「上から見た東京の全域には、さまざまな色の、今まで眺めたこともないような物凄く大きな花火が地上で舞っているようで、本当に綺麗で美しかったですよ!」と得々として語られたことを振り返って。