ジュピターと賛美歌 [音楽]
ジュピターと言えばすっかり平原綾香になってしまっているが、賛美歌としてのジュピターについて。また、ホルスト作曲の賛美歌など。
1.ホルスト『惑星』
グスターヴ・ホルスト(Gustav Theodore von Holst, 1874.9.21-1934.5.25)は、イギリスの作曲家。
組曲『惑星』(The Planets)(作品32)(1914-1916)の第4曲「木星――快楽をもたらす者」(Jupiter, the Bringer of Jollity)の中間部の旋律は、様々な歌詞が付けられて歌われていることで有名。
ホルスト『惑星』はもともと、占星術から着想を得て作られた。
2.「祖国よ、我は汝に誓う」
Cecil Spring-Riceによる"I Vow to Thee, My Country"(祖国よ、我は汝に誓う)(1918年)が歌詞として付けられ、ホルスト自身によって歌詞に合うように編曲された(1921年)。これがイギリスの愛国歌の一つとしてよく歌われるようになった。
この歌が讃美歌集"Songs of Praise"(1925年)に収録されて以来、この旋律には"Thaxted"という tune name が付けられている。これは、ホルストが暮らしたことのある町の名前にちなんでいる。
この讃美歌は、チャールズとダイアナの結婚式(1981年)やダイアナの葬儀(1997年)、マーガレット・サッチャーの葬儀(2013年)でも歌われた。
3.讃美歌として
イギリスでは"I Vow to Thee, My Country"の歌詞でも讃美歌集に収録されているようだが、より讃美歌らしい(?)歌詞が様々に作られている。
その中でも、Michael A. Perryによる"O God beyond all praising"(1982年)がよく好まれている。この讃美歌は、イギリス国教会の中のどちらかというとローチャーチの傾向にあるジュビラーテ・グループJubilate Groupと呼ばれる人たちによるジュビラーテ・ヒムズJubilate Hymnsから刊行された讃美歌集"Hymns for Today’s Church" (1982年)に収録されて広まった。
日本語は、『教会福音讃美歌』(2013年)の245番「御名をほめたたえる歌声より」(訳は中山信児)。
4.有名な作品
- 本田美奈子.「ジュピター」(YouTubeで検索)
- 平原綾香「Jupiter」(YouTubeで検索)
- 冨田勲『惑星』(YouTubeで検索)
- リック・ウェイクマンのピアノソロアルバム『Piano Portraits』(2017年)の14曲目 "I Vow to Thee, My Country"
- おまけで、木星ではなくて火星だが、
エマーソン・レイク・アンド・パウエル『エマーソン・レイク・アンド・パウエル』の中の「火星―戦争をもたらすもの」(YouTubeで検索)
5.ホルスト作曲の賛美歌
ホルストの作曲で讃美歌になっているものとして、クリスマスの讃美歌である「木枯らしの風」がある。
Tune nameはCRANHAM、歌詞はChristina Georgina Rossetti, "In the bleak midwinter"。
日本語では、
- 『讃美歌』(1954年版)468「こがらしのかぜ」。
- 『新生讃美歌』(2003年)181「凍てつく風の真冬の日」。
- 『日本聖公会聖歌集』(2006年)100「こがらしさむく」。
- 小坂忠のアルバム「クリスマスキャロル」の12曲目「木枯らしの風」は、こうえいかによる訳詞。
日本ではあまり歌われない感じだが、良い曲だ。
リフォユース賛美リスト [音楽]
日本基督教団宗教改革500年記念教会青年大会「リフォユース500」ユースカンファレンス(2018年3月21日、青山学院大学ガウチャー記念礼拝堂)での、賛美のセットリスト。
(春原の独自調査)
1.どんな時でも (中山有太/Praise Station)
2.新しい歌を主に (ミクタムP&W赤77、リビングプレイズ116)
3.求めて (歌い出し:あなたの声を求めて)(中山有太/Praise Station)
● 関野和寛牧師メッセージ
4.主の臨在の中で (レインボーミュージックジャパン)
5.輝く御名 (歌い出し:イエスの御名には勝利がある)(中山有太/Acts 2:44)
6.イエスは勝利をとられた (ミクタムP&W赤60)
7.主は栄光 (歌い出し:見えます輝く光に満ちて)(ミクタムP&W赤85、リビングプレイズ251)
● 晴佐久昌英神父メッセージ
8.主われを愛す (讃美歌461)
9.心から (歌い出し:口先ではなく心込め歌う)(中山有太/Praise Station)
10.Come on and dance (歌い出し:主よあなたと出会って)(長沢崇史) (今回はサビのcome on and dance dance danceから)
11.主を見上げて (歌い出し:あなたと共に生きる喜び)(中山有太/Praise Station)
12.なんと素晴らしい (ミクタムP&W90)
(~主を見上げて reprise)
● 休憩、サルーキ=、大嶋重徳牧師メッセージ
13.主の愛注ぐ (歌い出し:ああすばらしい愛)(中林大介/Acts2:44)
14.神の御子にますイエス (聖歌582、新聖歌397)
15.イエスわが王を (歌い出し:栄光の主の御座をもうけたまえ主よ)(リビングプレイズ134)
● 小林克哉牧師メッセージ
● 100人ゴスペルの賛美
16.誰も見たことのない (長沢崇史)
ワーシップCD Jworship4 [音楽]
Jworshipのシリーズの第4作、2017年4月4日リリース。
分かる範囲での原曲情報とコメント。
『ジェーワーシップⅣ 日本に与えられた賛美の油注ぎ』、PHWM(Praise Honor Worship Ministry)、2017。
曲目リスト
- 1.花も
- MEBIGの名曲。CD『さんび大爆発10』に収録されている。
- YouTubeではNCM2 (New Christian Music Ministry)の演奏がよく再生されているようだ。
- 2.イエス様ふれてください
- 大和カルバリーチャペルの副牧師、倉知契の作詞作曲。『ジェーワーシップⅣ 賛美楽譜集』では漢字で「イエス様触れてください」になっている。
- 3.あなたがすべて
- Acts2:44のセカンドアルバム『To the King』(2013年)の4曲目。
- 4.全地の王イエス
- シオン・プレイズの1st『主は私の光』(2013年)の1曲目。
- 5.命の光
- 長沢崇史 with Special Bandの『道』(2012年)の1曲目。
- 2017年8月9~11日の日本基督教団宗教改革500周年記念「リフォユース500教会中高生大会」でも賛美された。
- 6.カルバリの十字架
- 中畑友里のアルバム『今は恵みの時』の3曲目。
- 7.主の愛注ぐ
- Acts2:44のセカンドアルバム『To the King』(2013年)の8曲目。
- 8.山々が生まれる前から
- ミクタム『ホーリーパワー』の3曲目。楽譜はPraise&Worship2(青本)-113。
- ミクタムのCDの中の、水野弘子の透き通ったボーカルには全くかなわない。ただし、ミクタム『ホーリーパワー』では、全体を通して歌うのは1回だけで物足りなかったのだが、このJworship4では2回繰り返してくれて、さらにしつこくあちこち繰り返してくれているのは、とてもよい。
- 9.どんな時でも
- Praise Station『希望の歌』(2012年)の1曲目。
- 10.天の御座におられる方に
- 中山有太 Worship Project『ホザナ』(2015年)の11曲目。
- 11.イエス様ふれてください Bilingual
- 日本語と韓国語
- 12.あなたがすべて Bilingual
- 日本語と韓国語
コメント
- 「花も」とか「命の光」という既に定番になっている曲が取り上げられているのもよいが、その中で、新たな(?)発掘として「イエス様触れてください」が取り上げられたのがよい。
- 全体として、どうしても外国人が歌っている日本語なので、ヘビーローテーションには耐えられない。次回作は、ぜひとも方向転換して、礼拝の中でそのまま再生して賛美できるような作品にしてほしい。
- アレンジや演奏はよいので、ぜひカラオケ(インストルメンタル)も付けてください。
リンク
佐々木潤 Blessing Life [音楽]
佐々木潤のCDの紹介とデボーション用のCD・音楽について。
"Blessing Life : Devotion Music vol.1"、RMJ Records、RMJ0008?。
レインボーミュージックジャパンRainbow Music Japanの佐々木潤による、静まって、聖書を読み祈るデボーション・タイムのためのインストロメンタル・ピアノ曲集の第一弾。全7曲。
- Prologue 「詩篇62編5、6節」 5:10
- はじめに Genesis「創世記」 4:05
- ともに Judges「士師記」 5:01
- いのり Samuel「サムエル記」 2:55
- ことば Micah「ミカ書」 3:35
- 約束 Joshua「ヨシュア記」 3:58
- Epilogue 3:14
全部で28分ということはジャケットに記されているが、各曲の時間は記されていない。
メロディ・ラインがややはっきりしている面があるが、全体をリピートし続けても十分、聖書や祈りに集中できる。
個人的には、メロディ・ラインをもっと抑制して、連続1時間くらいの黙想・静思の時間に使えるCDがあったらと感じる。
ところで、レインボーミュージックジャパンのCDの品番は、どうもめちゃくちゃ。大丈夫か、RMJ。
既に2009年に発売されたJun Sasaki, "Gentle Breeze: piano instrumental"の品番がRMJ-0008とCDのレーベル面に書いてある。今回の"Blessing Life"は同じ番号になっちゃってる。
さらに、2009年のRainbow Music Japan, "Over the Rainbow"は、CDとケースの背はRMJ0007なのに、ケース裏ジャケットはRMJ-0006になっている。RMJ0006は、SIZUKA, "フォロー・ユー すべてをゆだね"が2006年にRMJ0006で出ているので、"Over the Rainbow"は0007が正解。
ということなので、"Blessing Life"はRMJ-0009になるはず。
PBA太平洋放送協会のWeb番組What The Pastors!!に、最近、佐々木潤が出演した回:
わたしがRMJのCDを紹介した前回のブログ記事は、「オーバー・ザ・レインボー」(2010年4月2日付)
ワーシップソングのピアノ・インストCDなら、これまでにもいくつかあった。
- 『ミクタム・インストルメンタル・ワーシップⅡ ピアノプレイズ』(ピアノは柳瀬佐和子)
- 『ピアノリビングプレイズ1 I Will Praise』(ピアノは澤崎真理)
- 『リビングプレイズインストゥルメンタルシリーズ 朝ごとに新しく』(ピアノの他にクラリネットやホルン、サックスなどが入る)
- 『In His Hands: Acoustic Piano for Healing Moments (Piano Living Praise 2)』(ピアノはJeff Nelson)
など。しかし、やはり知っているメロディなので、音楽の方が主になって黙想を導くという感じになってしまう。
デボーション用ピアノインストCDには、次のものがある。
Jeff Nelson, "Prayer Songs vol.1&2," Wholehearted Worship, 1999.
"Prayer Songs vol.3&4," 2005.
しかし、メロディラインがはっきりしすぎており、テンポも速め、音数も多く、時々盛り上がりすぎ。
通常の音楽では聞く人をいかに惹きつけかが大切だと思うが、デボーション用の音楽は、人を音楽に向かわせるのではなく、神へと向かわせ、御言葉と祈りに集中させなければならない。じゃまをしてはならないので難しい。
というわけで、レインボーミュージックジャパンの今後に大いに期待する。
なお、YouTubeでsoaking worshipなどのキーワードで検索すると、1時間とか3時間のデボーションミュージックがいろいろ出てくる。
(2017.11.23,29、12.1加筆修正)
『礼拝と音楽』2016・2017 [音楽]
『礼拝と音楽』の2016~2017年に発行されたNo.168~175の8号分から、わたしにとって興味関心のある記事のメモ。
■No.168、2016年冬号
「説教塾や神学校で若い人と触れる機会がありますが、最初に「好きな説教者は誰ですか」と訊きます。そうすると、ほとんど挙がらないんです。でも、好きな画家のいない美大生はいないはず。好きな作曲家のいない音大生はいないはず。好きなギタープレイヤーのいないバンドはないはず。」
平野克己(平野克己と荒瀬牧彦の対談「「説教」か「礼拝」か 説教学と礼拝学の共働をめざして」、p.4)- 「説教者と奏楽者――それぞれの立場から礼拝を考える」pp.34-39。特に、この中の末次かおりによる「奏楽者の立場から――理想と現実の狭間で」
- 宮越俊光「礼拝とシンボル 第7回 オランス・説教壇」、p.54-57。
■No.169、2016年春号
- 辻学「聖書の中の身体表現」、pp.4-8。按手と聖霊賦与の正統性に関する部分が興味深い。
- 山本有紀「礼拝の中の身体の「居場所」」、pp.22-26。平和の挨拶に関する記述あり。
- 宮越俊光「礼拝とシンボル 第8回 按手・塗油」、p.54-57。
- 「主に向かって“新しく”うたおう! <3>」"God, Be the Love to Search and Keep Me" (詞・曲:Richard Bruxvoort Colligan) → YouTubeで検索
■No.170、2016年夏号
- 橋本祐樹「現代ドイツ・プロテスタント教会礼拝事情――種々の新しい試みと『プロテスタント礼拝式文』(UEK/VELKD, 1999)に触れて」、pp.44-47。UEKとVELKDの紹介と、"Evangelisches Gottesdienstbuch," UEK/VELKD, 1999の紹介あり。
■No.171、2016年秋号
- 宮越俊光「子どもの祝福――祝福式に基づく七五三の祝いの可能性」、pp.10-13。p.11に、子どもへの祝福の祈りの例が2つあり。
- 岩田昌路「祝福を受け継ぎ、祝福を告げる教会」、pp.20-23。高齢教会員の牧会に関する取り組みの紹介。小見出し:狛江教会の創立と特徴、信仰宣言、具体的改革のための心得、三回の主日礼拝、平日の聖餐礼拝、送迎システム、第一礼拝における聖餐執行。
- 「「堅信礼」をどうとらえるか――カトリック、聖公会、ルター派、改革派、メソジストの例から」、pp.28-37。カトリック:アンドレ・ヴァン・カンペンハウド、聖公会:吉田雅人、ルーテル教会:乾和雄、アメリカ改革派教会:ウェイン・ジャンセン、メソジスト:林牧人。
■No.172、2017年冬号
- 特になし。
■No.173、2017年春号
- 山本美紀「「共にうたうこと」から考える「うたの力」――キリスト教のうたう文化としての「賛美」と近代以来の日本の「合唱」」、pp.10ー14。1937年の日中戦争勃発を契機に、国民の不満を解消しつつ体制に組み込んでいくための厚生運動として、合唱運動が国家的規模で拡大した。合唱は職場をまとめ、戦争遂行のための生産力向上を目指すツールであった。 誰もが小学校や中学校で経験した合唱コンクールが発表会ではなくコンクールであるのは、合唱が、戦前から、所属する集団を意識させ、結束を固め、一つの目標に向かって教化し、望む方向に質を高めるものだったからだ。
- 高橋牧、飯靖子「礼拝の中での聖歌隊の役割と可能性」、pp.28-34。
- 志村拓生「『讃美歌21』刊行までのあゆみ――日本の賛美歌集編纂の歴史をふりかえる」、pp.46-49。
「ブライアン・レンは、説教に合う賛美歌が既存の賛美歌集に見つからなかったために、よく知られた曲で歌える新しい詞を書いた」。
p.53。- 宮越俊光「礼拝とシンボル 第12回 座る・沈黙」、pp.54-57。
■No.174、2017年夏号
「賛美歌は専門家によって教会の制度の外からもたらされるものでもない。また個人の敬虔が教会の賛美歌を生み出すのでもない。賛美歌を生み出すのは教会の礼拝の現実であり、神の現臨のリアリティーであり、礼拝共同体の応答ではないのか。」
深井智朗「1717年から2017年へ――神学と賛美歌について」、p.8。- 「主に向かって“新しく”うたおう! <8>」"Love divine, all loves excelling" 詞:Charles Wesley、曲:W.P.Rowlands(tune name:BLAENWERN)詞は「あめなるよろこび」(『讃美歌21』475、476)。日本語の「あめなるよろこび」とBLAENWERNとの組み合わせは『教会福音讃美歌』328にある。ウィリアム王子とキャサリンの結婚式で歌われた讃美歌。→ YouTube
■No.175、2017年秋号
- 伊藤節彦「ルター周辺の改革者たち――礼拝における影響」この中に、ローマ・カトリック、フォーミュラ・ミサ(1523年)、ミュンツァーのドイツ語ミサ(1523年)、ルターのドイツ語ミサ(1526年)、ブツァー(1539年)、カルヴァン(1545年)の比較一覧表あり(p.18)
- 井上義「”コンテンポラリー”を識る」連載1(pp.57-54、横書き) ついに『礼拝と音楽』もプレイズ&ワーシップに関心を持ち始めたのか。
- 「主に向かって“新しく”うたおう! <9>」"O For a Thousand Tongues to Sing" 詞:Charles Wesley、曲:Mark A. Miller 『讃美歌21』4番をコンテンポラリーな8ビートで歌う。→ YouTubeで検索
- "O God, You Search Me" 詞・曲:Bernadette Farrell 詩編139編をモチーフにした賛美歌。→ YouTubeで検索
よく知られている讃美歌 [音楽]
讃美歌であると認識されているかどうかは別にして、
教会に来たことのない人にも割と知られている(と思う)讃美歌10曲。
この曲は讃美歌になっているんです、とか、讃美歌なんですよ、というアプローチのために。
● 120 主はわが飼い主 The Lord's my shepherd
戦メリ
● 211 あさかぜ静かに吹きて Still, still with Thee
メンデルスゾーンの無言歌第2巻op.30の第3曲Consolation。
● 261 もろびとこぞりて Hark the glad sound! The Savior comes
クリスマス。ヘンデル。
● 264 きよしこの夜 Stille Nacht, heilige Nacht!
英語ではSilent night, holy night。クリスマス。最もおなじみ。
● 434 主よ、みもとに Nearer, my God, to Thee
タイタニック
● 451 くすしきみ恵み Amazing grace
『讃美歌第2編』167では「我をも救いし」、『聖歌』では「おどろくばかりの」なのでややこしい。本田美奈子.
● 471 勝利を望み We shall overcome
ニグロ・スピリチュアル、プロテストソング。
● 493 いつくしみ深き What a friend we have in Jesus
『讃美歌21』では「いつくしみ深い」。葬儀でも結婚式でも歌われる。
文部省唱歌「星の界」(ほしのよ)(杉谷代水作詞)、「星の世界」(川路柳虹作詞)。
● 504 主よ、御手もて Thy way, not mine, O Lord
ウェーバー、魔弾の射手
● 532 安かれ、わがこころよ Stille, mein Wille
英語ではBe still my soul。シベリウスのフィンランディア。
これらの中でもベスト3を選ぶとしたら、
264 きよしこの夜
451 くすしきみ恵み
493 いつくしみ深き
だろう。
J-popのハレルヤ [音楽]
Jポップによく出てくる「ハレルヤ」ってどういう意味か知ってる?
・・・という展開に使うために、
タイトルに「ハレルヤ」が入っている最近のJ-Pop、10曲。
(主にYouTubeで「ハレルヤ」で検索)
『ごちそうさん』で毎日聞いてた年配の人もいる、ゆずの歌だけでいいのだが、せっかくなので調べてみた。
より以前の名曲には、黛ジュンの「恋のハレルヤ」(1967年、後に荻野目ちゃんがカバー、ちなみに荻野目洋子は柏市出身)とか泉谷しげる(1989年)とかある。
● ゆず「雨のち晴レルヤ」 (NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』(2013年度下半期)の主題歌)
● AAA (トリプル・エー)「ハレルヤ」 (エイベックスのダンス・ポップ、2006年)
● GReeeeN「ハレルヤ!!!!」 (2009年のアルバム『塩、コショウ』に収録)
● セカイイチとFoZZtone「ハレルヤ」 (『バンドマンは愛を叫ぶ』2014年に収録)
● moumoon(ムームーン)「ハレルヤ」 (2011年のアルバムに収録)
● 普天間かおり「ハレルヤ」 (Leonard Cohenの'Hallelujah'を日本語でカバー!)
● Bitter & Sweet「ハレルヤ」 (アイドルっぽい女性2人ユニット。2015/12/23発売のミニアルバム収録)
● la la larks「ハレルヤ」 (2015年)
● JOYSTICKK「ハレルヤ」 (ヒップホップ)
● RAG FAIR「ハレルヤ」 (アカペラ男性グループ、2005年)
● Mr.Children「Hallelujah」 (2000年のアルバム『Q』に収録)
ミスチルまで入れたら11曲になった。
「愛します」と歌うワーシップソング2 [音楽]
ワーシップソングは、カリスマ運動の中で発展してきた(もちろん、ワーシップソングに影響を与えているのはそればかりではないが)。
特に、神に愛されていることよりも、神を愛しますと歌うことをやたら好むのは、神との個人的な親密さを強調するカリスマ運動の影響であろう。
たとえば、ミクタム・プレイズ&ワーシップの赤本(M赤)、青本(M青)からざっと拾ってみると:
M赤69「神さま感謝します」(リビングプレイズ78)
M赤178「愛します救い主」
M赤180「愛します」
M青49「あなたの愛は」(小坂忠のとてもきれいな曲。神の愛を歌って「わたしはあなたを愛します」と結ぶ)
M青76「心を尽くし」(小坂忠のポップな曲)
M青91「ラブユーソーマッチ」(Hillsongの曲)
M青116「I Love You, Jesus――ここに愛がある――」(せっかく1ヨハネ4:10を歌っておきながら、「愛してる~」)
M青118「愛します主よ」(「愛します」の連続)
などなど。
神の愛を歌った後に「愛します」と歌っている曲もあるが、どうしても後半を繰り返すので、「愛します」の方が強調されてしまう。
結 論
「愛します」と歌うワーシップソング1 [音楽]
日本語では、
"The Power Of Your Love"は、シティプレイズ1「パワー オブ ユア ラブ」(1998年)の13曲目「パワー オブ ユア ラブ」。
"Just Let Me Say"は、シティプレイズ2「ランド オブ ライジング サン」(2000年)の6曲目「尽きせぬ愛をあなたに」。
"This Kingdom"は、シティプレイズ2「ランド オブ ライジング サン」(2000年)の4曲目「御国はイエスの中に」。
これらのうち、"The Power Of Your Love"と"Just Let Me Say"について、Geoff Bullockは、2004年に、歌詞を変えたバージョンを発表した。
(1)、(2)、 (4)は、SoundClickのGeoff Bullockのページで聴ける。
また、(4)はYouTubeにGeoff Bullockのライブ映像あり。
なお、"Just Let Me Say"のalternate lyricsも、"The Power Of Your Love"のVersion2も、2008年のアルバム"Geoff Bullock"に収録されている(SoundClickとは別バージョン?)。
このことについて、Geoff Bullock自身の発言がないかと探してみたところ、見つけたのが、救世軍オーストラリア東地区の"Creative Ministry" 2010年7月号のp.6-8のインタビュー記事より
The miracle of the Gospel is the love that God shows for us. It’s not just a nice cuddly love, it’s a dramatic love. And so I’ve changed that around to ‘just let me say how much you love me.'”
Nettletonきょうまで守られ [音楽]
しばらく前の葬儀で、故人の愛唱賛美歌ということで歌った。
この聖歌の曲と歌詞について、ちょっと込み入ったところがあったので、まとめておく。
1.曲について
曲は、Asahel Nettleton作曲のチューンネームNETTLETON(1825年)として知られている。
ところが、『新生讃美歌』(日本バプテスト連盟、2009)の563番には、
Wyeth's Repository of Sacred Music, Part Second, 1813
とある。いったいこれは何だろうか?
http://www.hymnary.org/tune/nettletonによると、
From William J. Reynolds, Companion to Baptist Hymnal (1976): "Nettleton first appeared as a two-part tune in John Wyeth's Repository of Sacred Music, Part Second (1813, p. 112), where it was named Hallelujah. In the Index it is identified as a new tune, and no composer's name is given. The tune has been attributed to some to Asahel Nettleton (1783-1844), a well-known evangelist of the early nineteenth century, who compiled Village Hymns (1825). However, this compilation contained no music, and there is no evidence that Nettleton wrote any tunes during his life . . . It is not known where the tune name first appeared or who was responsible for it." (pp. 53-54)
The Hymnal Companion to the Lutheran Book of Worship (1981) also notes George Pullen Jackson's observation that the tune is "one of a group related to the folk melody 'Go tell Aunt Tabby (Aunt Rhody, Aunt Nancy, etc.) her old grey goose is dead.'" (p. 519)
というわけで、このメロディーは、1813年にJohn Wyethが編纂した"Repository of Sacred Music"というものの中に、作曲者名が記されずに掲載されたのが最初のようだ。
その後、1825年にAsahel Nettleton編纂の"Village Hymns"に登場する。ところが、この讃美歌集は詞のみであるので、いつからこのメロディがNettletonと呼ばれるようになったは不明ということのようだ。
2.原詞について
原詞は英語で書かれ、Robert Robinsonによる"Come, Thou Fount of Every Blessing"(1758年)。
http://www.hymnary.org/text/come_thou_fount_of_every_blessingによると、この詞について、
In 1752, a young Robert Robinson attended an evangelical meeting to heckle the believers and make fun of the proceedings. Instead, he listened in awe to the words of the great preacher George Whitefield, and in 1755, at the age of twenty, Robinson responded to the call he felt three years earlier and became a Christian. Another three years later, when preparing a sermon for his church in Norfolk, England, he penned the words that have become one of the church’s most-loved hymns: “Come, thou fount of every blessing, tune my heart to sing thy grace.”
歌詞は、いくつか細かな相違のあるものが出回っている。
The original hymn includes five verses, but most modern versions use only the first three. There are a few common word changes in different versions. In some texts, instead of “Here I find my greatest treasure,” (Psalter Hymnal) the first line of verse two reads “Here I raise mine Ebenezer,” a reference to 1 Samuel 7:12, in which Samuel sets up a stone and names it Ebenezer meaning “The Lord has helped us” (Episcopal Hymnal, Presbyterian Hymnal, Baptist Hymnal, Methodist Hymnal). As well, the last line of the second stanza can be read “Interposed his precious blood” or “bought me with his precious blood.” The two verbs signify different metaphors of the atonement of Christ.
3.日本語詞について
(1)『聖歌』(1958年)と『聖歌 総合版』(2002年)
『聖歌』273「いのちのいずみに」は中田羽後訳。これは『聖歌 総合版』の250。
『聖歌』292「きょうまでまもられ」は笹尾鉄三郎の作詞(1897年)(訳詞ではない)。これは『聖歌 総合版』の273。
というわけで、中田羽後による訳詞のものと、笹尾鉄三郎が詞を付けたものとがある。
しかも、273という番号が『聖歌』と『聖歌 総合版』でかぶっており、ややこしい。
(2)その他の讃美歌集
『新聖歌』(2001年)は、笹尾鉄三郎の「きょうまでまもられ」のみを採用、171番。
『新生讃美歌』(2003年)563「すべての恵みの」は、©2003日本バプテスト連盟 の新たな訳詞。
『教会福音讃美歌』(2012年)には収録されていない。
SDAの『希望の讃美歌』にもあるそうだが、持っていないので不明。
4.YouTubeで聞く"Come, Thou Fount of Every Blessing"厳選3つ
CCMの大御所Amy Grantの2002年のアルバム"Legacy...Hymns & Faith"に入っているもの
モルモンのヒスパニック系三人姉妹のグループElenyiとピアノ
アメリカのCCMシンガー、フェルナンド・オルテガFernando Ortega
讃美歌21の中のマタイ受難曲 [音楽]
しばらくまえに、イースター前の期節の名称について「四旬節、受難節、レント、大斎」と言う記事を書き(2016.2.24)、そして、わたしにとってこの期節の定番である本とCDを紹介した「四旬節の定番」という記事を書いた。(2016.2.26)。
そのとき紹介したCDはバッハの『マタイ受難曲』であるが、『讃美歌21』の中にどれだけ収録されているだろうかと思って、季刊誌『礼拝と音楽』のバックナンバーを繰って調べてみた。
また、一般的に言われている曲番号と、CDに付いている小冊子(いわゆるライナーノーツ)の番号とが違っていつも困惑しているので、その点も考慮した。
『讃美歌21』の番号順。
一般的と思われる新バッハ全集(NBA)での曲番号と、
わたしが持っているリヒター指揮1958年録音アルヒーフ版CD(POCA-2006/8)の番号とを掲載した。
讃美歌21 | マタイ受難曲の番号 | ||
---|---|---|---|
番 号 | タイトル | NBA | リヒターCD |
87 | 罪なき小羊 | 1 | 1 |
215 | 心をはずませ | 40 | 48 |
294 (128曲) |
ひとよ、汝が罪の | 29 | 35 |
295 569(曲) |
見よ、十字架を 今やこの世に(曲) |
10 | 16 |
37 | 44 | ||
310、311 | 血しおしたたる | 15 | 21 |
17 | 23 | ||
44(曲) | 53(曲) | ||
54 | 63 | ||
62 | 72 | ||
313 | 愛するイエス | 3 | 3 |
19 | 25 | ||
46 | 55 | ||
447 | 神のみこころは | 25 | 31 |
528(詞) | あなたの道を(詞) | 44(詞) | 53(詞) |
※『讃美歌21』の87「罪なき小羊」は、第1曲の中でソプラノ・リピエーノ(児童合唱による)の部分
参考文献
ワーシップCD Jworship1 [音楽]
リビングプレイズのj-worshipシリーズとは別物。
第2集(2012年)のレビューはこちら。
第3集(2015年)のレビューはこちら。
第1集のタイトルは、
「JWorship 主イエスに向かう日本の愛の歌」
JWorship - 주님을 향한 日本의 사랑노래
CD1枚全13曲。2008年。
■収録されている曲(括弧内は原曲情報)
1.「時を越えて」(日本語)
(ノアのCD『祈りvol.1』の1曲目。『ノア CDコレクションvol.1』1997年。)
2.「とわに礼拝します」(韓国語)
(レインボーミュージックの第1作『Send me―主よつかわして下さい―』1998年の6曲目)
3.「あなたをあがめます」(韓国語)
(レインボーミュージックの第1作『Send me―主よつかわして下さい―』の8曲目)
4.「主の臨在の中で」(韓国語)
(レインボーミュージックの第1作『Send me―主よつかわして下さい―』の2曲目)
5.「もうふりむかない」(韓国語)
(ノアのCD『もうふりむかない』の7曲目、『祈りvol.1』の3曲目。楽譜は『ノア CDコレクションvol.1』1997年。後に、いのちのことば社の「子どもリビングプレイズ」のシリーズの第1弾『プレイズワールド ジャンプ』の18曲目。楽譜は『プレイズワールド』増補改訂版、いのちのことば社、2003年の18。)
6.「今主の御名をあがめて」(韓国語)
(レインボーミュージックの第1作『Send me――主よつかわして下さい――』の9曲目)
7.「涙とともに」(韓国語)
(ミクタムのPraise&Worship3『インマヌエル』の13曲目。楽譜はミクタムの赤本113)
8.「時を越えて」(韓国語)
9.「私たちのこの口は」(韓国語)
(リラのCD第1作『LYRE』1996年の1曲目。レインボーミュージックの第2作『We Stand―このところに―』1999年にも7曲目に入っている。楽譜はあちこちにたくさんあると思うが、最近のものでは、『教会福音讃美歌』2013年、いのちのことば社の331番。「私たち」を漢字交じりで表記しているものとかながきしているものとが混在するが、たぶん、リラとしてはかながきが基本のようだ。)
10.「威光・尊厳・栄誉」~「栄光・尊厳・力」(韓国語)
(ミクタムのPraise&Worship4『リバイバル』の9曲目と、Praise&Worship6『ハレルヤ』11曲目。楽譜はミクタムの赤本128と160)(ジャケットに記載のコピーライトは間違っている)
11.MR(「今主の御名をあがめて」のインストルメンタル)
12.「とわに礼拝します」(日本語)
13.「私たちのこの口は」(日本語)
■メモ
MRというのは韓製英語で、ボーカルの入っていないインストバージョンのこと。
YouTUBEには、「とわに礼拝します」の日韓バイリンガルバージョンがアップされている。とはいえ、最初だけ日本語で、後はずっと韓国語。
12曲目の「とわに礼拝します」(日本語)は、
(Aメロ+Bメロ)×2+Cメロ+Bメロ×3+「礼拝します」
13曲目の「私たちのこの口は」(日本語)は、
Aメロ+Bメロ+Aメロ(途中で転調)+間奏+Bメロ+Aメロ(途中で転調)+Aメロ(前半はリズムと歌のみ)+Aメロ後半のみ+間奏+ブレイク後Bメロ(ピアノ+ボーカル)
■コメント
1.「時を越えて」(日本語)
一昔から二昔前?のJ-POPのCDの1曲目みたいに、ディストーションのかかったギターがかっこいいポップス調になった。ただ、歌詞の「おおなみにかわる」は今やどうなんだろうか。YouTUBEで聞ける。
2.「とわに礼拝します」(韓国語)
3.「あなたをあがめます」(韓国語)
4.「主の臨在の中で」(韓国語)
6.「今主の御名をあがめて」(韓国語)
レインボーミュージックのオリジナルより、韓国語だけど歌はうまいし、ヘビーローテーションに耐えるサウンドになった。「あなたをあがめます」は、礼拝堂でボリューム上げて聞くと、ベースの重低音が響く。「あなたをあがめます」と「主の臨在の中で」「今主の御名をあがめて」は日本語バージョンも作ってほしかった。
5.「もうふりむかない」(韓国語)
Maranatha!MusicのCCMっぽいイントロから、一転、アニメ声(?)の女性ボーカル。
7.「涙とともに」(韓国語)
岩淵まことの作。こういう曲調を何と言うんだっけ。イスラエル民謡? ジューイッシュ・ソング? ミクタムのオリジナルの方はメシアニック・ダンス調とでも言えばいいのかな。。
9と13「私たちのこの口は」
YouTUBEで日本語バージョンが聞ける。リズムの弾んだダンサブルな曲になった。転調しながら繰り返して7分の長さになっている。
10.「威光・尊厳・栄誉」~「栄光・尊厳・力」(韓国語)
「どーこーでーでも」の「でーで」の部分のコードが違うのが不思議な感覚になる。
■というわけで
・歌も演奏もクオリティ高い。
・レインボーミュージック(Rainbow Music Japan)の曲がたくさん取り上げられている。
・日本語バージョンは3つしかなくて残念。
・韓国語の歌詞にカタカナでふりがなを振ってくれるとうれしいのだが。。。
ワーシップCD Jworship3 [音楽]
- わたしのブログでの
- 第1集(2008年)のレビュー。
- 第2集(2012年)のレビュー。
この第3集が発売された(2015.3.30)。
タイトルは、
「Jworship3 神様が下さった日本のリバイバルの歌」
제이워십 3집 주님이 주신 일본의 부흥노래
CD1枚全12曲。
日本語バージョン10曲と日本語と韓国語のバイリンガル・バージョン2曲を収録。
今回、ジャケットに作者本人の写真とプロフィールが掲載されている。
YouTubeのJworshipのチャンネルに少しずつアップされている。
■収録されている曲
1.「栄光から栄光へと」池原仰一 (Acts2:44『僕らのすべて』の5曲目)
2.「イエスに栄光あれ」富田満 (Michiru『Love Song』の9曲目)
3.「キリストの花嫁」津川晋平 (長沢崇史+S.H.O.P.『ダビデの幕屋―主の足もとに―』の9曲目)
『ダビデの幕屋―主の足もとに―』の情報:その1,その2。
4.「立ち上がる時」田中満矢 (GROWING UP『魂歌』の7曲目)
5.「慕い求めます」長沢崇史 (長沢崇史 with special band『道』の4曲目)
6.「死を打ち破り」長沢崇史 (長沢崇史 with special band『道』の12曲目)
7.「ただひとり」富田満
YouTubeなどを見ると、新宿シャローム教会のワーシップチームWorship Waveによるオリジナルワーシップのようで、作詞・作曲:津川晋平・富田満(Michiru)と二人がクレジットされている。
8.「イエスが愛したように」長沢崇史 (長沢崇史 with special band『道』の11曲目)
9.「喜びの声上げて」林田裕樹
(リアジャケットでは「喜びの声を上げて」と「を」が入っていて統一されていない。ミクタムの『ジーザス』の3曲目。ミクタムでは「喜びの声を上げて - By His Cross」」と「を」が入りサブタイトルが付いている。楽譜は青本(新版)87)
10.「求めて」中山有太 (Praise Station『希望の歌』の4曲目)
11.「キリストの花嫁」日韓バイリンガル・バージョン
12.「求めて」日韓バイリンガル・バージョン
■コメント
1.「栄光から栄光へと」:オリジナルより歌もサウンドも良くなった。
2曲目「イエスに栄光あれ」と7曲目「ただひとり」:初めて聞き、オリジナルを知らないが、こういう日本のワーシップが韓国経由で表舞台(?)に上げられるのはおもしろい。このCDが表舞台になるのかどうかはわからないが。
3.「キリストの花嫁」:女性ボーカル。どうも韓国の人には日本語のラ行の発音が難しいようだ。
4.「立ち上がる時」:「賛美するんだ」という歌詞がわたしの年になると何ともなあ。
5.「慕い求めます」:歌い出しの「イエス」のメロは、わたしの頭の中でどうしても別のワーシップソングになってしまう。
6.「死を打ち破り」:すでに定番の曲。
8.「イエスが愛したように」:「愛し合おう」ではなくて「愛し合う」と断言されているところが意味深い。「愛し合おう」と言われるとなかなかそうはできないよという思いが強くなってしまうが、「愛し合う」と言うと、愛し合う存在とすでにされているという大きな恵みの言葉になっている感じ。
9.「喜びの声上げて」:YouTubeの本人がギターを弾きながら歌う動画の演奏が、気軽で楽しそうなノリをしていてよい。このCDではちょっとまとまりすぎたビート感になってしまった。でも、いい曲だ。
10.「求めて」:静かな曲だけに、男性ソロボーカルの声質や歌い方の個性が強くなっている分、オリジナルのみんなでワーシップコーラスという感じの方が親しみやすいかも。
というわけで、前作Jworship2同様、長沢崇史の代表的な曲が多く含まれるほか、いろんな若手の代表的な曲が集められ、富田満という(日本のキリスト教史上に同姓同名の人物がいるが、あっちは「みつる」)人を知ったのが収穫。
賛美歌関連の定期刊行物 [音楽]
◆『礼拝と音楽』、日本基督教団出版局
1955年4月創刊。1973年11月号(第19巻10号)まで月刊。1967年10月号と11月号は合併号らしい。
1974年春から季刊(2月:冬号、5月:春号、8月:夏号、11月:秋号)。ナンバーは1号から開始。
途中、臨時増刊があり、「臨時増刊 みんなでつくる私たちの礼拝 17の礼拝例とアイディア」(通巻111号、2001年9月)、「特別増刊 新発見 再発見『讃美歌21』保存版」(通巻136号、2007年9月)がある。
臨時増刊も通巻でナンバリングされているため、季刊の号数と通巻の号数は異なる。たとえば、2011年夏号はNo.150と大きく記されているが通巻では152号。120号からの目次(2014.10末現在)が教団出版局のサイトの中のバックナンバー一覧の中で見ることが出来る。
◆『日本賛美歌学会 紀要』、日本賛美歌学会
2004年から隔年発行。2012年の第5号まで順調に発行。2014年に第6号が出るはずだが?
[追記]2014年9月に第6号が出ているようだ(日本賛美歌学会のサイトの12月6日付のニュース「出版物情報」による)。
日本賛美歌学会の「出版物」のメニューの中から、各号の目次を見ることが出来る。
ちなみに、日本賛美歌学会の「賛」はごんべんのないほう。かつて、1960年に発足した「日本讃美歌学会」があったが、主宰者の竹内信の死去(1974年)後に自然消滅していた。(『日本キリスト教歴史大事典』教文館1988年の「日本讃美歌学会」の項、原恵執筆。)
◆『礼拝音楽研究』、キリスト教礼拝音楽学会
2001年創刊。年1回発行。2012年に第12号が出た後は?
[追記]2013年に第13号が出ているようだ。
キリスト教礼拝音楽学会の「学会誌内容のご紹介」のページに目次一覧あり。
なお、2011年10月に、No.10の別冊として、手代木俊一『日本讃美歌・聖歌研究書誌2010』が出た。これは、明治初期より2010年12 月までに刊行された日本の讃美歌・聖歌、及び、関連する論文等約2400件のデータをまとめたもののよう。
◆『改革教会と音楽』、エルピス
1999年10月創刊。年2回発行。第7号(2002年10月)は「特別号」として誌名も『改革教会の礼拝と音楽』。8・9号合併号が2003年10月に出て、その後は?
サイトはこちら。 バックナンバーの項目のところに目次あり。エルピス社の紹介ページにも目次一覧あり。
新島八重愛唱の「いつくしみふかき」 [音楽]
1954年版讃美歌294番(讃美歌21では461番)「みめぐみゆたけき」は、1931年版讃美歌では274番で、その歌詞の第1節は次の通りである(1903年版讃美歌223番も同じ)。
いつくしみふかき 主の手にひかれて
このよのたびぢを あゆむぞうれしき
(をりかへし)
いつくしみふかき 主のともとなりて
御手にひかれつつ 天(あめ)にのぼりゆかん
では、1954年版讃美歌の312番「いつくしみふかき」は、かつてはどうだったか。
1931年版讃美歌では539番で、歌詞は1954年版と同じ「いつくしみ深き 友なるイエスは」である。
さらに、1903年版讃美歌を見ると、歌詞の五十音索引には「いつくしみふかき」は、現在「みめぐみゆたけき」と歌っている上の223番しかない。
いったい、このJoseph Scriven作詞、Charles Crozat Converse作曲の"What A Friend"は、1903年版ではどうなっているのか。
調べてみると、243番であった。その歌詞の第1節は次の通りである。
たふときわが友 エスキリストは
つみとがうれひを とりさりたまふ
こゝろの悲歎(なげき)を つゝまずのべて
などかはおろさぬ おへるおもにを
というわけで、現在の「いつくしみふかき 友なるイェスは」は、かつては「とうときわが友 エスキリストは」と歌われていたのである。
新島八重の愛唱讃美歌の一つは、1954年版讃美歌で言うと294番「みめぐみゆたけき」だが、おそらく当時は「いつくしみふかき」と歌われていたであろう。この点は、雜賀信行『牧師夫人 新島八重』(雜賀編集工房、2012年)の155頁からは分からない。山下智子『新島八重ものがたり』(日本基督教団出版局、2012年)の135頁ではちゃんとかつての歌詞で記されているが、もう少し説明がないと校正ミスかと思う人がいるかもしれない。
そうすると、新島八重の愛唱讃美歌として両著で紹介されているもう一つの方も心配になってくる。もう一つは「うつりゆく世にも」である。調べてみると、1954年版讃美歌139番「うつりゆく世にも」は、1931年版讃美歌128番、1903年版讃美歌81番でも、歌詞の第1節は1954年版と同じであった。
うつりゆく世にも かはらでたてる
主の十字架にこそ われはほこらめ
新島襄の愛唱讃美歌として雜賀信行『牧師夫人 新島八重』146頁で紹介されている「主のまことは ありその岩」(1954年版讃美歌で85番)はどうだろうか。1931年版讃美歌では78番である。
主の眞理(まこと)は 荒磯(ありそ)のいは
さかまく波にも などかうごかん
(をりかへし)
くすしきかな あまつ御神(みかみ)
あな尊きかな とこしへの主
ここに見られる「あな」は、1954年版では「げに」になり、讃美歌21では消滅している。メロディはユダヤ教讃美歌とされており、Tune NameはLEONIである。
さて、この讃美歌は1903年版ではどうなっているかと調べてみると、48番でNearer HomeというTune Nameのメロディで歌われている。これは1954年版讃美歌の483番「主とともならん」の曲である(讃美歌21にはない)。
歌詞の方は、第1節は1931年版と同じだが、それ以降には若干相違がある。
というわけで、新島襄は「主のまことは荒磯の岩」を少なくとも現在のLEONIで歌ったとはまず考えられず、Nearer Homeで歌っていた可能性の方が高い。
ジョージ・ビバリー・シェー [音楽]
「キリストにはかえられません」(原題"I'd rather have Jesus"、1929年)の作曲者。
彼の作った讃美歌はこの曲以外には日本で知られているものはないが、福音歌手として多くの讃美歌を歌っている。
YouTubeで「George Beverly Shea I'd rather have Jesus」で検索
1.名前の日本語表記
たとえば、
日本基督教団讃美歌委員会編『讃美歌第二編略解』(日本基督教団出版局、1974年)では「ベヴァリー」。
その後の日本基督教団讃美歌委員会編『讃美歌21略解』(日本基督教団出版局、1998年)では、「ベヴァリー=シェー」と定着することのなかった「=」を使っている。
彼の死去を伝えるクリスチャン新聞2013.5.5号では「ベバリー」。
まあ、「ビバリーヒルズ」のように慣用化している「ビバリー」でいいんじゃない?
2.「キリストにはかえられません」
『聖歌』521
『讃美歌第二編』195
『讃美歌21』522
『新聖歌』428(タイトルの表記は「キリストには代えられません」)
『教会福音讃美歌』465
作詞者のレア・ミラー(Rhea F. Miller, 1894-1966)については、『讃美歌第二編略解』では「残念ながら目下のところ不明である」、『讃美歌21略解』でも「残念ながら不明です」と記されていた。
ところが、川端純四郎『さんびかものがたりⅤ 平和の道具と 信仰生活の歌』(日本基督教団出版局、2011年)で、
「最近になって「ヒムナリー(賛美歌集)」というアメリカのカルヴィン研究所礼拝セミナーがアメリカ賛美歌学会と協力して作っているウェブサイト(http://www.hymnary.org/)に、ミラーについての詳細な伝記が掲載されていました」
として、それに沿ってレア・ミラーについて紹介している(pp.170~172)。
hymnary.orgの中のRhea F. Millerの記事のあるページ
(ちなみに、川端純四郎は2013.5.23死去)
ワーシップCD jworship2 [音楽]
リビングプレイズのj-worshipとは別物。
- わたしのブログでの
- 第1集(2008年)のレビュー。
- 第3集(2015年)のレビュー。
■このCDについて
韓国語バージョンのCDと日本語バージョンのCDの2枚組で、それぞれ10曲+バイリンガルで2曲入って3150円。
10曲は、韓国語CDと日本語CDで同一曲。バイリンガルの2曲はそれぞれのCDで別曲。
日本語で歌われている曲もおそらくすべて韓国人による歌唱で、微妙に発音が気になることもあるが、なかなか綺麗にアレンジされ、聴き応えのある演奏になっている。
■このCDに収録されている曲(タイトル、作者、オリジナル収録CDなど)
韓国語と日本語のバイリンガルで歌われているのは、韓国語CDには「主イエス神の愛」、その日全世界が」、日本語CDには「心から」、「永遠にあなたと」が入っている。
■というわけで、
You Are My All In All(2) [音楽]
Dennis Jerniganの"You Are My All In All"
CCLI #825356
いろんな人がカバーしている。そのうちのいくつか。
1.Bob Fittsのリードによるもの。HOSANNA! MUSICのアルバム"He Will Save You: with Bob Fitts"(1996)に入っている。典型的なワーシップコーラス。
2.Nichole Nordeman。初めはPoint of Graceがプロデュースした女性CCMアーティストのコンピレーション・アルバム"Girls of Grace"に収録。後に、"Wow Worship Yellow"(2003)に入った。なかなかいいサウンド。
3.Natalie Grant。"Top 25 Praise Songs 2009"や同2011に入っている。切なく歌う。
4.Aaron Shust。
5.Worship Jamzに入っているのは、かなりテンポの速いノリの曲になっている。
6."Top 25 Praise Songs"の2005に入っているのは(2007もたぶん同じ)、ボーカルはAaron Gaydenで、クレジットはないがMaranatha! Praise Bandということでよいだろう。悪くない。
などなど。他には、アカペラやスカにアレンジしたものも。Gaitherボーカルバンドも歌っている。
これらの中で、一番ワーシップ・コーラスらしいのはBob Fittsのもの。ちょうどよいノリでかっこよくておすすめはNichole Nordeman。しっとりと聞くにはNatalie Grant。
日本語は、j-WorshipのVol.2の8曲目。Song Bookの合本では20番「すべてのすべて――You Are My All In All――」。訳詞は倉知契。日本での版権はGospel Music Xpressがもっている。しかしいろんな別訳が出回っている様子。
YouTubeで検索
You Are My All In All(1) [音楽]
Dennis Jerniganの"You Are My All In All"
CCLI #825356
Dennis Jerniganの演奏にもいくつかのバージョンがある。
1.
アルバム"Break My Heart, O God"(1991カセット、1995CD)のバージョンが最初か。イントロでトランペットが入るスローなワーシップコーラス。4:20
"The Dennis Jernigan Collection"(1998, 2010)全14曲の12曲目にも収録。
"The Worshipper's Collection, Vol.2"(2000、2008)は、アルバム"I Will Trust You"(1995)と"Break My Heart, O God"を合わせた2枚組28曲。このDisc2の14曲目にも収録。
"Giant Killer: A Heart Like David"(2002, 2008)のDisc2の12曲目も同じ。
2.
"Hands Lifted High"(2005)の1曲目。featuring Natalie Grant。パーカッションとギター中心。4:16
3.
2005年のLive CD"Live Worship"のバージョンがあるらしい。
4.
"We Will Worship: The shadow Mountain Community Church"(2000, 2008)のバージョンは、オーケストラとチャーチクワイアでメッセージ(聖書朗読?)あり。
5.
アルバム"Here In Your Presence"(2010)の13曲目に、"You Are My All in All 2010"がある。ギターの16Beatカッティング。3:50
6.
"Hymns 1"(2011)の中で、"What a Friend We Have in Jesus?"からメドレーで7:23。
この中では、やはり、最初のバージョンが一番ワーシップ・コーラスらしくてよい感じだ。
YouTubeで検索
Maranatha! MusicのTop 25シリーズ [音楽]
CDリスト
Top 25 Praise Songs, 1999.
Top 25 Praise Songs Updated, 2003.
Top 25 Praise Songs 2005 Edition, 2004.
Top 25 Praise & Worship Songs 2007 Edition, 2006.
Top 25 Praise Songs 2009 Edition, 2008.
Top 25 Praise Songs 2011 Edition, 2010.
Top 25 Praise Songs 2012 Edition, 2011.
というわけで、あまり新しすぎる曲はいらないけど、しかし、よく歌われているワーシップを知りたい、ということで、2009年版がおすすめ。
その他の主なTop 25シリーズ
Kids向け、クリスマスソング集、スペイン語版、Sprit-Track版などは除く。
この中で、Instrumentalは日本語で歌う際の伴奏に使えるかもと期待してみたが、演奏の雰囲気が違いすぎていたり、日本語を合わせるのはけっこう難しい場合が多い。
Rich Mullins, "Awesome God" [音楽]
カタカナ表記するならリッチ・マリンズか。本名はRichard Wayne Mullins。それゆえ、Richard Mullinsとクレジット表記されていることもある。ワーシップソング"Awesome God"の作者。
1."Awesome God"は、1988年のアルバム"Winds of Heaven, Stuff of Earth"に初出。後に、ベストアルバム"Songs"に収録。
2.Rich Mullinsは、1997年に自動車事故により41歳で急死。
3.1998年、Michael W. Smith, Amy Grant, Chris Rice, Gary Chapmanら11人のクリスチャン・ミュージック・アーティストがそれぞれ彼の曲をカバーした追悼アルバム"Awesome God: A Tribute to Rich Mullins"がリリースされた。その1曲目がMichael W. Smithによる"Awesome God"。
"Awesome God"について
1.Rich Mullins作詞作曲、1988、BMG Songs, CCLIナンバー41099。
2.ワーシップソングの定番の一つとして、様々なアーティストによって演奏されている。
3.元の曲は長い歌詞だが、コーラス(日本ではサビといわれる)の部分のみでよく演奏されている。(元々の長い歌詞のバージョンがあることを最近はじめて知ったので、その機会にこの記事をまとめてみた。)
4.日本語では、リビング・プレイズの173(CDは、"POWER"の12曲目)あるいは、J-Worshipの4(タイトルはそのままAwesome God)。訳詞は異なる。
5.Paul GarciaとTim Johnsonによる"Awesome God"は別曲(この日本語はJ-Worshipの13「偉大な神―Awesome God―」)。
6.わたしが持っているCDの中で一番のお気に入りは、サビの部分のみの演奏だが、Wow Worshipsシリーズの"Wow Worship Yellow"(2003年)に入っているMichael W. Smithによるライブ演奏。
元は、Michael W. Smithのアルバム"Worship"に入っている。
静かなピアノで始まり、アコギがかっこよく入り、ホールエコーのたっぷりかかったコーラスが入り、次第に大合唱へと盛り上がっていく。
Hillsong UNITEDのアルバム"Look To You"(2005年)に入っているバージョンの盛り上がりはちょっと激しすぎっと感じる人にもおすすめ。
7.YouTubeでいろいろ聞ける。
(2012.9.14一部加筆訂正)
ヒルソングHillsongのCD The Very Best of Hillsong Live [音楽]
誰も書いていなかったので。
レビューといっても、曲目紹介という感じ。
amazon.co.jpのHillsong, "The Very Best of Hillsong Live"のページ
amazon.comだと、試聴できる。
ワーシップソング3 [音楽]
この書に記されているワーシップソングについてのまとめ。
1.プレイズ・アンド・ワーシップ・スタイルの起源について
2.ワーシップソングの特徴(p.31、34)
3.ワーシップソングと礼拝スタイルの関係
4.楽譜集について
ワーシップソングは、小さな個人曲集や様々なグループによる創作・翻訳として出版されている。伝統的な賛美歌集とは異なり、まとめて何かを編集してそこに一定の神学的意図を込めるといった風土はない。(p.35)
ワーシップソング2 [音楽]
この第7章が「プレイズ・アンド・ワーシップ・スタイルの礼拝」。
1.大きな特徴としてあげられているのは次の三点:
・アップビートな音楽によって活気づけられた、形式ばらない祝祭的な雰囲気をもっている。
・霊的かつ感情的に、神の直接的な臨在の体験が深く意識される。
・会衆は自由に音楽に身を委ね、両手を挙げることで聖霊の働きを表現する。
2.賛美の方法として:
・歌詞の数節を何度も繰り返しながら、五、六曲を続けて歌うこともある。
・歌詞をプロジェクターで壁面に映し出して、礼拝参加者はうつむくことなう顔を上げたままでいられる。
・概して、音楽担当者が会衆賛美をリードするが、数人の歌い手で構成された賛美チームが賛美をリードするために活用されることも普及しつつある。
・その歌詞は客観的というより主観的であり、教理的というより信仰的であり、理知的であるというよりは情緒的であるという傾向を持っている。
・ギターやドラムによるバックバンドもこれらの礼拝では標準的なものとなりつつあり、録音テープ(今で言えばCD-R、DVDやパソコン)による伴奏が用いられることもある。
3.このスタイルの背景として:
・この音楽は、1960年代後半から70年代の初頭にかけて、アメリカのティーンエイジャーとヤング・アダルトの間に生じた霊的リバイバルである「ジーザス・ムーブメント」から生まれた。
・この礼拝のスタイルは必ずしも常にカリスマ運動的であるわけではなく、多くの場合、現代の若者たちの言葉によって神をたたえるために、より新しい音楽的スタイルが利用されているにすぎない。
・多くの教会成長研究者によれば、急速に会衆の人数を増やすためにはプレイズ・アンド・ワーシップ・スタイルこそ最も適切な礼拝であると考えられている。
4.欠点として次の三点が挙げられている:
・「体験」が重視されているために、神学的に貧弱であり、「感情的な応答」が強調されているために、エンターテイメントを提供しているにすぎない。
・その音楽が「コンテンポラリー」であるゆえに、用いられる曲目はランキングの上位40曲ほどに依存しており、その多くが急速に時代遅れとならざるを得ない。
・これまでの礼拝の歴史の中で培われてきた礼拝の順序や構造が、まったく消え失せてしまっている。
ワーシップソング [音楽]
1.『キリスト教礼拝・礼拝学事典』(日本基督教団出版局、2006年)
プレイズ・アンド・ワーシップ・スタイルに関する項目はない。
「礼拝の系譜」の項の中の、「福音派」のところで「プレイズ&ワーシップという直接神を賛美する歌もある」、「若者向けの賛美を踊りながらする礼拝もある」、「プレイズ&ワーシップを3、40分も歌い」という記述(執筆者:尾山令仁)と、「カリスマ運動」のところで「カリスマ運動の中で聖霊の導きによって作られている“スクリプチャー・ソング”や“ワーシップ・ソング”などを導入して歌う・・・。これらの賛美歌は、伝統的なそれよりも、人々の心を開放し、主に向かわせる不思議な力を持っている。」という記述(執筆者:手束正昭)があるだけである。まあ、「カリスマ運動」という章を設けただけでも画期的か。
2.J.F.ホワイト
ホワイト(越川弘英訳)『キリスト教の礼拝』(日本基督教団出版局、2000年)には記述無し。せいぜいファニー・クロスビーまで(p.158f)。ホワイト(越川弘英訳)『キリスト教礼拝の歴史』(日本基督教団出版局、2002年)も、「第5章 近現代の礼拝」の中に「音楽」という節があるが、まったく言及無し。
ホワイト(越川弘英監訳、プロテスタント礼拝史研究会訳)、『プロテスタント教会の礼拝――その伝統と展開』、日本基督教団出版局、2005年は持っていないのでわからない。
3.ポール・バスデン
(越川弘英、坂下道朗訳)『現代の礼拝スタイル――その多様性と選択を考える』(キリスト新聞社、2008年)の第7章で、「プレイズ・アンド・ワーシップ・スタイルの礼拝」を17頁をさいて取り扱っている。このスタイルの礼拝の目的、聖書的根拠、歴史的先例として黒人の礼拝とペンテコステ派の礼拝、プレイズアンドワーシップスタイルの音楽、説教やサクラメント、礼拝順序の例、教会成長との関係、長所と短所、そして個人的見解。
4.いのちのことば社21世紀ブックレット24『新しい歌を主に歌え』
副題:「礼拝と会衆讃美と讃美歌集の現在を探る」、2004年。
この中で井上義、遠藤稔「岐路に立つ教会の歌――プロテスタント会衆讃美と礼拝の多様性をめぐって」と井上義「『会衆讃美の刷新』の二つの流れ――“Hymn EWxplosion”と“Praise & Worship”を中心に」の二つの論考がプレイズ・アンド・ワーシップ・スタイルの礼拝について扱っている。
5."The New Westminster Dictionary of Liturgy and Worship"
『新しい歌を主に歌え』の中の井上義の論考の中で、英語圏における中型サイズの礼拝学辞典として確固たる地位を誇る"The New Westminster Dictionary of Liturgy and Worship"(Westminster/ John Knox Press)の2002年の第3版で、"Praise-And-Worship Movement"の項が新設されたと紹介されている。
Rainbow Music Japan新譜 [音楽]
佐々木潤さん、佐々木静さんのRainbow Music Japanの新譜
「オーバー・ザ・レインボー」RMJ0007、2500円。
「いつくしみ深き」と「一羽の雀に」に始まり、オリジナル・ワーシップ6曲の全9曲。
Steve Sacksらの深みのある演奏が、若い彼らを支えている。
最後の9曲目は、オズの魔法使いで有名な"Over The Rainbow"のインストルメンタルでおまけ的。
Rainbow Music Japan公式サイト http://www.rainbowmusic.jp/