池田守男、サーバント・リーダーシップ入門(1) [読書メモ]
池田守男(1936.12.25-2013.5.20)
著書ですぐに検索されるのは次のもののみ。
池田守男、金井壽宏、『サーバント・リーダーシップ入門――引っ張るリーダーから支えるリーダーへ』、かんき出版、2007年、254頁、1575円。
出版当時、池田守男は資生堂相談役、金井壽宏は神戸大学大学院経営学研究科教授。
■目 次
全4章
Ⅰ サーバント・リーダーシップとは何か(金井壽宏)
Ⅱ サーバント・リーダーの経営改革(池田守男)
Ⅲ サーバント・リーダーシップと使命感(対談)
Ⅳ ミッションで支えて組織と人を動かす(金井壽宏)
■自分のためのメモ(その1)
Ⅰ サーバント・リーダーシップとは何か
リーダーシップ現象
リーダーシップは、静態的な個人特性ではなく、リーダーとフォロワーとの間のやりとりの中から自然発生的に生まれてくるダイナミックでインタラクティブなプロセスだ。フォロワーが喜んでついていくようになったとき、そこに「リーダーシップ現象」が生まれたことになる。
サーバント
サーバント・リーダーは、召使いのように相手の言うことを聞くのではなく、ミッションの名の下にフォロワーに尽くす。上に立つ人こそ、皆に尽くす人でなければならない。
ミッション
相手に奉仕すること、尽くすことを通じて、相手を導いていく。当然、導くからには自分なりの考え、哲学、想い、ミッションがいる。サーバントになるとは、召使いのように振る舞うことではなく、ミッション(使命)の名の下に奉仕者となることである。リーダーが信じているミッションに共感して、その実現のために動き出す人をリーダーが支え、奉仕する。サーバント・リーダーシップは、ミッションなしにはありえない。
ビジョン
リーダーが思い描く世界は現状からかけ離れているため、フォロワーたちにはそれが実現可能には見えない。しかし、大きな使命(ミッション)と大きな絵(ビジョン)をしっかり描いて繰り返し語れば、リーダーにしか見えなかったものがしだいにフォロワーにも見えてくる。
信頼(credibility)
信じてついていっていいと思える人に、フォロワーたちが喜んでついていっている現象がリーダーシップという現象である。だから、リーダーシップの鍵となるのは「信頼」である。
リーダーはフォロワーのために存在する
フォロワーはリーダーを信頼し、彼(彼女)が描く大きな絵(ビジョン)に共鳴してリーダーについていく。そのときフォロワーが目指すものはリーダーのそれと同じ、もしくは近いものであり、一緒になって実現するのもフォロワーだ。リーダーはあくまでもその手伝いをする。リーダーはフォロワーのために存在する。
サーバント・リーダーは、力ずくではなく、ミッションに向かって自発的に歩み始める人を後押しする。それは使命感に基づいてなされる高貴な行動であり、組織やチームに目標を達成させる大きな力になる。
ロバート・グリーンリーフ
サーバント・リーダーシップという考え方は、元AT&Tのロバート・K.グリーンリーフが1977年に提唱した。
グリーンリーフは、ヘルマン・ヘッセ『東方巡礼』に出てくるサーバント・リーダー、レーオに啓発された。
グリーンリーフはクエーカー。
サーバントとリーダー(奉仕と指導)
サーバントとリーダーという二つの役割は融合しうる。サーバントとしてのリーダーシップは、最初は尽くしたい(奉仕したい)という自然な感情に始まる。その後に、指導したいという思いが自覚的に選択されてゆく。
パーソナル・アセッツ
リーダーシップ現象が発生するおおもとはリーダーの言動や発想であり、その言動や発想はその人の持ち味(パーソナル・アセッツ)に支えられている。パーソナル・アセッツには、リードしたいという意識的なイニシアティブ、ビジョナリーなコンセプトを描く力conceptualization、傾聴・受容・共感、一緒にいると心が落ち着くこと、個々人の成長へのコミットメントなど様々な特徴が挙げられる。
リーダーシップの基本哲学
サーバント・リーダーシップは、リーダーシップの類型の一つではなく、リーダーシップのあり方に関わる基本哲学の一つだ。
(続く)
著書ですぐに検索されるのは次のもののみ。
池田守男、金井壽宏、『サーバント・リーダーシップ入門――引っ張るリーダーから支えるリーダーへ』、かんき出版、2007年、254頁、1575円。
出版当時、池田守男は資生堂相談役、金井壽宏は神戸大学大学院経営学研究科教授。
■目 次
全4章
Ⅰ サーバント・リーダーシップとは何か(金井壽宏)
Ⅱ サーバント・リーダーの経営改革(池田守男)
Ⅲ サーバント・リーダーシップと使命感(対談)
Ⅳ ミッションで支えて組織と人を動かす(金井壽宏)
■自分のためのメモ(その1)
Ⅰ サーバント・リーダーシップとは何か
リーダーシップ現象
リーダーシップは、静態的な個人特性ではなく、リーダーとフォロワーとの間のやりとりの中から自然発生的に生まれてくるダイナミックでインタラクティブなプロセスだ。フォロワーが喜んでついていくようになったとき、そこに「リーダーシップ現象」が生まれたことになる。
サーバント
サーバント・リーダーは、召使いのように相手の言うことを聞くのではなく、ミッションの名の下にフォロワーに尽くす。上に立つ人こそ、皆に尽くす人でなければならない。
ミッション
相手に奉仕すること、尽くすことを通じて、相手を導いていく。当然、導くからには自分なりの考え、哲学、想い、ミッションがいる。サーバントになるとは、召使いのように振る舞うことではなく、ミッション(使命)の名の下に奉仕者となることである。リーダーが信じているミッションに共感して、その実現のために動き出す人をリーダーが支え、奉仕する。サーバント・リーダーシップは、ミッションなしにはありえない。
ビジョン
リーダーが思い描く世界は現状からかけ離れているため、フォロワーたちにはそれが実現可能には見えない。しかし、大きな使命(ミッション)と大きな絵(ビジョン)をしっかり描いて繰り返し語れば、リーダーにしか見えなかったものがしだいにフォロワーにも見えてくる。
信頼(credibility)
信じてついていっていいと思える人に、フォロワーたちが喜んでついていっている現象がリーダーシップという現象である。だから、リーダーシップの鍵となるのは「信頼」である。
リーダーはフォロワーのために存在する
フォロワーはリーダーを信頼し、彼(彼女)が描く大きな絵(ビジョン)に共鳴してリーダーについていく。そのときフォロワーが目指すものはリーダーのそれと同じ、もしくは近いものであり、一緒になって実現するのもフォロワーだ。リーダーはあくまでもその手伝いをする。リーダーはフォロワーのために存在する。
サーバント・リーダーは、力ずくではなく、ミッションに向かって自発的に歩み始める人を後押しする。それは使命感に基づいてなされる高貴な行動であり、組織やチームに目標を達成させる大きな力になる。
ロバート・グリーンリーフ
サーバント・リーダーシップという考え方は、元AT&Tのロバート・K.グリーンリーフが1977年に提唱した。
グリーンリーフは、ヘルマン・ヘッセ『東方巡礼』に出てくるサーバント・リーダー、レーオに啓発された。
グリーンリーフはクエーカー。
サーバントとリーダー(奉仕と指導)
サーバントとリーダーという二つの役割は融合しうる。サーバントとしてのリーダーシップは、最初は尽くしたい(奉仕したい)という自然な感情に始まる。その後に、指導したいという思いが自覚的に選択されてゆく。
パーソナル・アセッツ
リーダーシップ現象が発生するおおもとはリーダーの言動や発想であり、その言動や発想はその人の持ち味(パーソナル・アセッツ)に支えられている。パーソナル・アセッツには、リードしたいという意識的なイニシアティブ、ビジョナリーなコンセプトを描く力conceptualization、傾聴・受容・共感、一緒にいると心が落ち着くこと、個々人の成長へのコミットメントなど様々な特徴が挙げられる。
リーダーシップの基本哲学
サーバント・リーダーシップは、リーダーシップの類型の一つではなく、リーダーシップのあり方に関わる基本哲学の一つだ。
(続く)
2014-02-14 21:00
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0