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リンカーン(10) リンカンがひげをはやしたわけ [読書メモ]

『リンカンがひげをはやしたわけ』、偕成社フレッド・トランプ(宮木陽子訳)、『リンカンがひげをはやしたわけ――開拓期を生きた少女の話』、偕成社、1997年、198頁、1600円+税。



リンカーン(訳者は「リンカン」と表記)にひげをはやすように勧める手紙を書いた「リンカンの小さな女の子」として知られるグレイス・べーテルの、丹念な調査による史実に基づいた伝記。

リンカンはアメリカ史上最初の「ひげの大統領」となった。

小学校高学年以上向けの感じの本だが、大人が読んでも興味深く、面白い。


原著: Text by Fred Trump, illustrations by Kit Wray, "Lincoln's Little Girl: A True Story," Boyds Mills Press, 1993.

原著にはグレイスの夫についてだけの記述がかなり多く、また、時代が前後したり急に時代が飛んだりする箇所があるので、訳者の独自の取材に基づいて加筆、削除して編集しなおされている。写真も原著にはないものが多々ある模様。

参考資料として、当時の新聞記事や手紙が7つ、要所要所に挿入されている。


グレイスは、8歳の時、礼拝の説教でマタイ4:6を聞き、天使が現れるのを期待して、2階から飛び降り、両足骨折をした。(p.19あたり)

1860年の大統領選挙は、共和党からの候補はウィリアム・シュワードを破ったリンカン、民主党からの候補はスティーブン・A・ダグラスで、国中が熱気に包まれていた。その様子がよく分かる(pp.27~40あたり)。選挙権のない11歳のグレイスも選挙戦の熱狂の渦に巻き込まれていた(ただし、当時、婦人参政権はなかった)。

グレイスがリンカンに宛てた手紙は41~43頁。綴りの間違いや文法の間違いなども記されている。リンカンからの返事はp.54~55。

第9章までがグレイスとリンカンの話で、南北戦争とリンカンの死まで。第10章以降はグレイスの結婚後の西部開拓の物語。

最後の18章では、リンカンとグレイスのそれぞれの手紙のその後の行方はいかに?



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