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オン神学 [読書メモ]

『福音と世界』2015年1月号で洛雲海(ナグネ)によって紹介されていた韓国のオン神学(Ohn Theology)について、興味深かったので、引用しつつ、私なりの言葉で言い換えつつ、まとめておく。


1.背 景
「オン」とは、「オングル(満月)」とか「オンヌリ(全世界)」のように欠けなく全体的で丸い様子を表す言葉。

韓国教会は、信徒の教会離れが進み、海外から多様な神学が流れ込んで混乱し、様々な教派・教団が乱立している。

そのような混乱状況の中で、オン神学は、全世界のための穏健かつ全体的な神学を志向するもの。


2.成り立ち
長老会神学大学校の金明容(キム・ミョンヨン、Myung Yong Kim)が提唱。

韓国長老教会統合派(PCK)の中で形成されてきた、これまで統全的神学と呼ばれてきたものを発展させた神学。

「改革神学の伝統上にあって福音主義(福音派)神学とエキュメニカル神学ならびにペンテコステ神学を合流させた神学」


3.特 徴
(1)プロセス神学や宗教多元主義などに対して、三位一体論を重視

(2)歴史に対する自由主義神学的楽観主義に反対して、神の主権と恵みの強調

(3)魂の救いのみを強調する行き方に対して、穏健かつ全体的な福音の主張

(4)天上におけると共に地上における神の国を強調

(5)世の至るところにおける聖霊の働きを重視した対話的神学

(6)祈りを軽んじる一部の哲学的傾向に反対して、祈りの重視

(7)世を破滅へと導く悪霊に打ち勝つ愛の力に信頼した倫理


文献
洛雲海「韓国教会通信7」、『福音と世界』2015年1月号(第70巻1号)、新教出版社。




さて、記事中に出てくる「統全的神学」というのは、holistic theologyの訳語だろうか。

Myung-Yong Kimのholistic theologyに関する英語の記事がある。

http://www.christianitydaily.com/articles/2030/20150206/holistic-theology-seminar.htm

あるいは、書籍を紹介しているfacebookの記事もある。




しかし、アメリカではどうもholistic theologyというと、キリスト教神学ではなく、なんだかニューエイジっぽい雰囲気の感じられる世界の用語のようである。
http://www.universityofholistictheology.com/
http://www.aiht.edu/

そうすると、これらとは全然別物よという意味で、区別して"Ohn Theology"と言う意味もあるということか。


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