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リンカーン(3) [読書メモ]

『リンカン民主主義論集』角川選書マリオ・M.クオモ、ハロルド・ホルザー編著(高橋早苗訳)、『リンカン民主主義論集』(角川選書232)、角川書店、1992年、301頁。

Abraham Lincoln, 1809.2.12-1865.4.15
第16代アメリカ合衆国大統領(在任期間1861.3.4~1865.4.15)
(聖金曜日4.14に撃たれ、翌日土曜日に死去した。)



 原著はMario M. Cuomo and Harold Holzer ed., "Lincoln on Democracy; His words, with essays by America's foremost Civil War historians," A Cornelia & Michael Bessie Book, Harper Collins Publishers, 1990. で、これにはRoy P. Basler ed., "The Collected Works of Abraham Lincoln," 8 vols., Rutgers University Press, 1953から抜粋された民主主義に関わる140のテキストが掲載されているが、その内さらに53のテキストを選んで翻訳したもの。


 年代順に「国民の権利」、「われわれが神聖視してきたすべてのもの」、「近いうちにまた爆発がおこるはずだ」、「正義は力である」、「試練のとき」、「永久に自由となる」、「生きているわれわれがすべきこと」の7つの章に分けて並べている。各章の冒頭にはそれぞれ異なる歴史研究者による「序論」が置かれている。そして、各文書にはその背景が簡単に付されている。


 目次は、「~演説」とか「~書簡」ではなく、各文書の中の特徴的な文言を使って記されている。たとえば、「フリートモント将軍への書簡」(1861.9.2)は「一人たりとも撃ってはならない」とか、「予備的な奴隷解放宣言」(1862.9.22)は「当日以降、永久に自由となる」など。ゲティスバーグ演説は「自由の復活」、第二次大統領就任演説は「なんぴとにも敵意をいだかず」となっている。


 この本に掲載されているゲティスバーグ演説は、その前置きの記述によると、演説後の数か月間に求められた3回の清書のうち最後のものであり、実際の演説とは多少異なっているとのこと。


 「訳者あとがき」には、特に参考にされた文献として、高木八尺、斎藤光訳『リンカーン演説集』(岩波文庫)の他、

『世界大思想全集25』(第1期)(哲学・文学思想篇第25巻)、河出書房新社、1959年。この中にある斎藤真訳「リンカーン講演書簡集」。

カール・サンドバーグ(坂下昇訳)、『エイブラハム・リンカーン』、新潮社、1972年。これは3巻本。

ベンジャミン・P.トーマス(坂西志保訳)『リンカーン』、時事通信社、1959年。これも3巻本。

深沢正策『リンカーン自叙伝』、万里閣、1951年。

が記されている。


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