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「主の祈り」のカードを作る (2)「主の祈り」の表記 [礼拝]

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 「主の祈り」のカードを作るにあたって、その表記が問題となる。声に出せば同じだが、どこを漢字にするかなど、本によってまちまちである。例えば、『讃美歌』1954年版の564番は、「試み」、「赦す」、「力」などが仮名書きになっているが、これはおそらく、振り仮名の付かない小さな字の読みやすさとか判別のしやすさなどを考慮してそうしたのであろう。『讃美歌21』の93-5Aは、これをそのまま採用し、句読点と改行を加えた礼拝文となっているが、安易すぎる。これを「主の祈り」の表記の参考にすべきではない。

 「主の祈り」の表記を検討する際の原文とすることの出来るものは、日本基督教団に属する者としては、『日本基督教団口語式文』に記されているものをなるべく尊重したい。ただし、この本は全体的に日本語がおかしかったり、校正されていないところが多いので鵜呑みにはできない。

1.名称の表記は、現代の送りがなに従って「主の祈」ではなく「主の祈り」とする。「主の祈り」の本文と送りがなの使い方で統一されなくなるかもしれないが、礼拝順序などに記すことを考えて、題は「主の祈り」とする。

2.『信徒必携 新改訂版』p.2に、『日本基督教団口語式文』と全く同一の表記に、現代仮名遣いが添えてある。それに従って現代仮名遣いで表記すると、次のようになる。
「天にまします我らの父よ、願わくはみ名を崇めさせたまえ。み国を来らせたまえ。みこころの天になる如く地にもなさせたまえ。我らの日用の糧を今日も与えたまえ。我らに罪を犯す者を我らが赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。我らを試みにあわせず、悪より救い出したまえ。国と力と栄とは限りなく汝のものなればなり。アーメン。」(実際には漢字に振り仮名つき)

3.「如く」と「ごとく」が混在しているので、仮名書きに統一する。
4.「み名」と「み国」は熟語であって一方のみを仮名書きにしては読みにくいので漢字を使い「御名」、「御国」とする。ただし、「みこころ」は「こころ」が仮名書きであり、しかも文頭にあるので、そのままとする。
5.その他の漢字の使用と送りがなは原文のままとする。すなわち、「願わくは」や「赦す」、「試み」などを仮名書きにしている例があるが漢字を使う、「あわせず」は仮名書きのまま。「栄」は「栄え」としない。「汝」も漢字を使い、すべての漢字に振り仮名を付ける。
6.句読点は変えず、そのところで改行する。

以上の手続きを経た「主の祈り」は次のようになる。(ルビはその漢字の後にかっこ書き)
主の祈りカード.jpg
天(てん)にまします我(われ)らの父(ちち)よ、
願(ねが)わくは御名(みな)を崇(あが)めさせたまえ。
御国(みくに)を来(きた)らせたまえ。
みこころの天(てん)になるごとく地(ち)にもなさせたまえ。
我(われ)らの日用(にちよう)の糧(かて)を今日(きょう)も与(あた)えたまえ。
我(われ)らに罪(つみ)を犯(おか)す者(もの)を我(われ)らが赦(ゆる)すごとく、
我(われ)らの罪(つみ)をも赦(ゆる)したまえ。
我(われ)らを試(こころ)みにあわせず、
悪(あく)より救(すく)い出(いだ)したまえ。
国(くに)と力(ちから)と栄(さかえ)とは限(かぎ)りなく汝(なんじ)のものなればなり。
アーメン。

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