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礼拝の構造(1) [礼拝]

1.礼拝改革運動のうねり

(1)全体的に
ルーテル教会や聖公会を除く福音主義プロテスタント教会の中の、礼拝式文に関心がある長老教会や改革派で、19世紀末頃から、大きな礼拝改革の「うねり」が始まった。

これは、エキュメニカル運動と関わり合っているリタージカル・ムーブメントや、第二バチカン公会議による典礼刷新などとは別の「うねり」である。もちろん相互に影響はあるだろうが。


(2)スコットランド
具体的には、1645年のウェストミンスター礼拝指針から200年以上を経た19世紀半ばから、スコットランド教会内で礼拝改革運動が始まった。
(たとえば、後藤憲正、『改革派教会の礼拝――第一部・礼拝式の構造』大森講座Ⅱ、新教出版社、1987年、p.33。)

紆余曲折を経て、1940年の"The Book of Common Order"に結実。
  Church of Scotlandの礼拝式文改訂:
    1940、1979、1994。

(3)アメリカ
スコットランド教会の動きから影響を受けて、アメリカ長老教会やアメリカ改革派教会は1906年に礼拝式文を作成した。

  アメリカ長老教会の礼拝式文改訂:
    1906、1932、1946、1970,77、1993。

  アメリカ改革派教会の礼拝式文改訂:
    1906、1968、1987。

2.日本への影響

日本に伝えられたプロテスタント教会の礼拝は、アメリカやカナダの伝道熱心な福音主義自由教会からの、リタージカルな面が重視されていない伝道的で簡素な礼拝順序であった。

まさに、それを見直そうという19世紀末からの大きな礼拝改革のうねりの中に、日本の主流派と言われる教会も置かれている(はずであるが、波に乗り損ねて取り残されている)。

そのようなわけで、アメリカ長老教会やアメリカ改革派教会の礼拝式文が参考になる。

3.礼拝の構造の明確化
そういった近年の礼拝改革の特徴として、礼拝式順全体をいくつかの部分に区切って、礼拝の構造を明確にして、礼拝の流れや意味を分かりやすくするという試みが挙げられる。

これは、信仰者にとって礼拝の意味をあらためて確認させられる利点があるだけでなく、未信者に対して配慮された工夫でもある(この点はあまり指摘されていない感じであるが)。


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