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エウセビオス『教会史』1 [読書メモ]

エウセビオス(秦剛平訳)、『エウセビオス「教会史」』(上、下)(講談社学術文庫2024、2025)、講談社、2010年。
上:508頁、下:533頁。

元は、山本書店、1986~88年、三巻本。

文庫化にあたって、上に第1~5巻を収録、下に第6~10巻を収録と、二分冊になった。

また、人名や地名はギリシア語の原音表記から一般的な表記に変更、左註は本文中に小活字で組み込むなど。

巻はⅠ、Ⅱ、・・・、章は(1)、(2)、・・・、節は文中に〔一〕、〔二〕、・・・と表記。


巻末の解題、あとがきなど
上巻の巻末に、訳者による「エピレゴメナ〔解題〕」あり。エウセビオスの生涯についてと『教会史』について。エウセビオスのギリシア語のひどさについても。

エウセビオスが真正な資料とそうでない資料を吟味せずに引用しているとか、典拠としたものから自分に都合のよい結論を性急に引き出そうとしている点について、「エウセビオスは教会史のヘロドトスであって、ツキディデスではない。」(p.489)

下巻の巻末に、
  訳者あとがき
  学術文庫版へのあとがき
  ローマ帝国の皇帝一覧
  教会管区の一覧
  各管区の監督一覧
  殉教者の一覧
  異端の一覧
  引用されている文書の一覧
あり。どれも、『教会史』の中で言及されている箇所が明示されている。

さらに、聖書引用索引、事項索引、人名索引、地名索引あり。

「ヨセフスを読んだ者はまちがいなくエウセビオスに進み、そしてエウセビオスを読み終えた者は、ヨセフスを読み返すであろう。」(「訳者あとがき」p.414)


内容について

「わたしはこの物語の進行にしたがい、各時代の教会著作家のうちのだれが、〔真正性の〕疑わしい〔文書の〕中のどれを利用したか、また正典に含まれ〔教会で〕認められた文書について彼らが何と言っているか、そして、そのように扱われなかった〔文書〕についてどのように言っているかを、〔使徒の〕継承とともに示そうと思う。」
(Ⅲ,3,3)(p.143-144)

第6巻はオリゲネスの伝記的記述や著作とその時代の迫害・拷問・殉教、同時代の人物について。


続きは、「エウセビオス『教会史』2」で、わたしの関心のある箇所のメモ。



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