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最近の旧約聖書の学びの本 [書籍紹介・リスト]

前回、旧約の各書ごとの学びのために、ポイントや特徴などを整理する上で有用な本をリストアップした。

その中で比較的最近のものは、

・『新版 総説 旧約聖書』、日本基督教団出版局、2007年。
(内容は専門的なので、信徒向けではない。執筆者によってしょうもない部分もあるが、一応、牧師必携。)

・浅見定雄、『改訂新版 旧約聖書に強くなる本』、日本基督教団出版局、2010。
(横書きで新共同訳対応になった改訂新版。信徒必携。

・『はじめて読む人のための聖書ガイド』、日本聖書協会、2011。
(旧約から新約まで66書それぞれについて、特徴、執筆目的、背景、構成を、一書につき2~3ページで解説。これも信徒におすすめ。)

・C.ヴェスターマン(左近淑、大野恵正訳)、『聖書の基礎知識 旧約篇』、日本基督教団出版局、2013年。
(これも、邦訳初版は1984年だが、横組み、新共同訳対応の改訂版になった。牧師必携。信徒におすすめと言うほどではないかなあ。初版の縦組みしか知らないけど。)

であった。


その他の最近のもので、、旧約の各文書ごとになっておらず、あるいはすべての文書を網羅してなく、あるいは簡単すぎ、あるいは専門的過ぎて、今回の目的のためには特に見る必要ないもの:


[日本基督教団出版局]

・福万広信、『聖書』、日本基督教団出版局、2013年。
キリスト教学校の中学生向け教科書

・落合建仁、小室尚子、『聖書入門――主を畏れることは知恵の初め』日本基督教団出版局、2014年。
キリスト教学校の大学初年度の教科書


[教文館]

・W.H.シュミット(木幡藤子訳)、『旧約聖書入門』(上、下)、教文館、上:1994年、下:2003年。
「入門」とあるが専門書。上下合わせて税別8000円。ドイツの神学校の教科書。

・C.レヴィン(山我哲雄訳)、『旧約聖書――歴史・文学・宗教』、教文館、2004年。
専門的な内容を簡潔に記述したつもりのようだが、内容が凝縮されているためか、かえって初心者には分からない。索引なし。訳者による日本語文献が挙げられている点だけなんとか良心的だが。

・W. H.シュミット、W.ティール、R.ハンハルト(大串肇訳)、『コンパクト旧約聖書入門』、教文館、2009年。
「入門」とあるが、一般向けではない。これからほんとに専門的に学ぼうとする人向け。索引がないのは致命的。文献表も原著のものを羅列しただけで見にくい。

・K.シュミート(山我哲雄訳)、『旧約聖書文学史入門』、教文館、2013年。
これも「入門」とあるが専門書。索引は充実。慣れればけっこうおもしろいので、わたしは使っている。
→全目次を紹介した2015.10.14の記事

[キリスト新聞社]

・越川弘英、『旧約聖書の学び』、キリスト新聞社、2014年。
キリスト教学校の大学初年度の教科書。

・A.グリューン(中道基夫、萩原佳奈子訳)、『聖書入門』、キリスト新聞社、2013年。
学問的な視点ではなく、聖書への親しみを持つように、聖書の内容を紹介した感じ。惜しいのは、新約はほぼ各文書ごとなのに、旧約は、「すべての始まり」、「アブラハム」、「ヤコブ」、「ヨセフと兄弟」、「モーセ」、「約束の地」、「ダビデとソロモン」・・・といった感じ。ヨブ記~雅歌、三大預言書は文書ごとだが。1項目につき2~4頁ほどなので、ほんとに超入門という感じ。初心者におすすめ

・石黒則年、『旧約聖書あと一歩』、キリスト新聞社、2011年。
旧約聖書の読みどころを取り上げた信徒向けあるいは伝道用の軽い筆致のエッセー、1項目3~4頁の全50講。でも学問的な知識にも多少踏み込んだ解説がある。聖書の学びの会で使えるかも


[新教出版社]

・大野惠正、『旧約聖書入門 1 現代に語りかける原初の物語』、新教出版社、2013年。
全5巻の予定だがまだ1のみ。1は、聖書全体と旧約聖書の成立から原初史の部分についての全15講。2は、アブラハムから創世記の最後までの全23講で、2015.11.24発売予定。


[その他の出版社]

・加藤隆、『旧約聖書の誕生』(ちくま学芸文庫 カ30-1)、筑摩書房、2011年。
最初は2008年の単行本。聖書について全く知識のない知識人向けの講義録という感じの語り口の読み物風の概説的入門書で、緒論的ではなく通論的。できる限り実際の聖書を読んで聖書に親しんでもらおうと、聖書の引用文も多い(新共同訳を元にしつつ、敬語表現などを除き、部分的に独自の訳語に変更したのかなという感じ)。巻末にモーセ五書のJEPD資料表あり。注や文献表はないのでやっぱり読み物。聖書箇所索引はあり。
→読書メモの形で紹介した2016.2.21の記事

・並木浩一、荒井章三編、『旧約聖書を学ぶ人のために』、世界思想社、2012年。
聖書学の入門ではなく、旧約思想の紹介という感じだが、入門者でなくても有益な示唆を得ることができる。特に、山我哲雄による「旧約聖書研究史・文献紹介」は、感涙もので、研究史の要点とともに注解書の紹介もあり、牧師必携
→目次と執筆者、主な内容を紹介した2015.10.29の記事

・大頭眞一、『聖書は物語る――一年12回で聖書を読む本』、ヨベル、2013年。『聖書はさらに物語る』、2015年。
旧約から新約まで。それぞれ12講ずつ、要所要所を選んで。中高生向け教科書の大人版といった感じ。さらに間を埋めて、全部を聖書の順に並べ直して合本にしてくれたら、いいかも。『さらに物語る』のほうには、平野克己が推薦の言葉を書いている。



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