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佐古純一郎「愛の力」 [読書メモ]

佐古純一郎『キリスト教入門』(朝文社、1989年初版、1992年新装版)所収の「愛の力」から。

わたしなりの関心からの、わたしの言葉でのまとめ。


愛は「生かす力」である。

(1)
愛は、自己を生かす力にもなり、他者を生かす力にもなる。

自己を生かす力としての愛は、自己中心的な愛であり、「自己愛」である。

自己愛において、他者は人格的な存在として認識されておらず、物的な利用価値としてしか価値づけられていない。

これが絶対化されて私利私欲の充足に向かうと「利己愛」になる。

(2)
「自分を愛する」とは、利己愛ではなく、自己愛でもない。

自己の人間性を大切にし、自らの存在を人格的存在として深く自覚し、自らを生かそうとする。

そうしてこそ、他者をも、物的存在ではなく人格的存在として認めることができる。

ここに、他者を自己の幸福や利益の手段とするのではなく、よりよく生かす力としての愛が発動する。

(3)
しかし、我々は自己中心的な愛を捨てることができない。

そこで主イエスは、
「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない」
と言って、わたしたちのために死んで復活され、自らわたしたちを愛によって生かしてくださっている。

他者を生かす主イエスの愛によって、このわたしはほんとうに生かされている。

この、他者を生かす力である愛に、自らの人生の根源をしっかり置いて、きょうを生きていく。

(4)
このような主イエスが、
「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」
と言われるのだから、それは不可能なことなどとあきらめないで、主イエスの愛に誠実に応答して、他者を生かす力としての愛をわたしたちも持っていきたいと願う。



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