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秋山憲兄『本のはなし』 [書籍紹介・リスト]

秋山憲兄『本のはなし』新教出版社秋山憲兄、『本のはなし――明治期のキリスト教書』、新教出版社、2006年、329頁。

新教出版社の目録によると、2008年に改訂増補版が出ているが、見ていない。

秋山憲兄(あきやま・のりえ)は、1917.2.17-2013.12.25。


■内 容

Ⅰ 序――明治初期のキリスト教出版

明治初期の印刷事情
横浜におけるキリスト教出版
明治期のキリスト教版元

Ⅱ 伝道文書・トラクト
「伝道文書」の「伝」の字は旧字の「傳」。

「伝道トラクトと本屋」の文章の後、私蔵本のJ.D.デビス『眞の道を知るの近路』(1873?)の全文を紹介。
(『植村正久とその時代』第二巻にある全文とはかなり違いがあるとのこと)。

ヘボン『十字架ものがたり』(1874?)の全文を紹介。

『信仰の話』(明治10年以前)の全文を紹介。

など4点紹介。

Ⅲ 本のはなし
「1 トラクト」で99点(排耶書7点を含む)
「2 教書」(これが第Ⅳ部になっている)で61点紹介。

Ⅴ バニヤン『天路歴程』
『天路歴程』の本邦初訳
邦訳の歴史

Ⅵ 和訳聖書の歴史

Ⅶ カール・ギュツラフ略伝と日本語聖書
これは、ギュツラフ訳『約翰福音之伝 約翰上中下書 復刻版』(信教出版社、2000年)の解説(ただしこの復刻版も2009年に増補版が出ている)。


■自分のためのメモ

p.61には、ヘボン・奥野昌綱訳『三要文』(1871/2)の使徒信条と主祷文(主の祈り)の訳文が記されている。p.73にはゴルドン訳(1876)の主祷文が記されている。


ハイデルベルク信仰問答の初訳は、ヘンリー・スタウトの書簡によれば1878年(明治11年)に出版されたというが、『日本キリスト教文献目録』にはない。
『日本キリスト教文献目録』では1880年(明治13年)発行の『基督教海徳山問答』(木曾五郎訳)がもっとも古いとしてあげられ、国会図書館蔵とあるが、著者が調査したら1885年版であった。(p.92)


『聖公会祈祷書』の淵源をたどると、1878年(明治11)頃刊の、C.M. ウィリアムズ編訳『朝晩祷文』に達する。これは、日本の聖公会の祈祷書が英国系と米国系の混乱を防ぐために、ウィリアムズが両国の母教会の祈祷書から編纂・翻訳したもので、朝祷文・晩祷文・リタニーを含んでいる。
 次いで1879年(明治12)の『聖公会祷文』は、・・・朝晩祷文に聖餐式、洗礼式、公会問答、堅信式が加わった。さらに、1883年(明治16)に増補版が刊行され、これが1887年日本聖公会第一回総会で公認された。」(p.211)


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