SSブログ

受難週の聖餐は木曜?金曜? [教会年間行事]

1.最後の晩餐は木曜日
 マルコによる福音書によれば、当時の暦での金曜日に、過越の食事として、いわゆる最後の晩餐が行われた(マルコ14:12~26)。これは、現在の木曜日の日没後である。
 したがって、これを記念して受難週の聖餐礼拝を行うとすれば、聖木曜日の日没後がふさわしい。

2.キリストの死は金曜日
 イエス・キリストが息を引き取った時刻とされるのは、午後三時頃である(マルコ15:34~37)。この時刻に教会に集まって、イエス・キリストの死を想起して聖餐を行う習慣もある。
 現代では、人々が集まりやすいように、日中ではなく夕刻に行うことも多い。
 あるいは、「キリストが亡くなられた日の悲しみと暗さを象徴する形の夜の礼拝が行われることもかなり一般的となりました」(今橋朗『よくわかる礼拝の暦』、p.53)。

3.カトリックでは
 ちなみに、カトリック教会ではどうだろうか。
 聖木曜日の夕刻に、「主の晩さんの夕べのミサ」が行われる。
 聖金曜日は、午後三時頃に「主の受難の祭儀」が行われる。ミサではなく祭儀と言うのは、聖体拝領は行われるがパンと杯の聖別は行われないからである。伝統的に、聖金曜日はミサがささげられない日とされており、前日のミサで聖別した聖体が用いられる。
 なお、「司牧的理由から主の受難の祭儀を午後3時より遅く行う場合も、午後9時以降には行わない」。(日本カトリック典礼委員会、『聖週間の典礼に関する補足事項』、2012.2.2)
 そのほか参考文献は、
・日本カトリック典礼委員会編、『典礼暦年に関する一般原則および一般ローマ暦』カトリック中央協議会、2004年。
・カトリック中央協議会の「典礼解説 過越の聖なる三日間」のページ。

4.結 論
受難週の聖餐礼拝は、教会によって、木曜日だったり金曜日だったりするが、それぞれ意味が異なる。
(1)木曜日の夕刻(日没後)に行われている聖餐礼拝は、いわゆる最後の晩餐を記念する礼拝である。
(2)金曜の夕刻に行われている聖餐礼拝は、イエス・キリストの死を想起する礼拝である。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。