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三要文 [信仰]

使徒信条、十戒、主の祈りを合わせて三要文(さんようもん)と言う。

1.「三要文」という言葉が日本ではじめて見られる史料としては、以下三つの文献いずれも、1871~2年頃のヘボン・奥野昌綱訳の『三要文』のトラクトが挙げられている。主の祈りの訳文は現代のものとかなり近いので、このヘボン・奥野訳が後の訳文に影響を与えてきたのではないかと考えられる。

2.文献
(1)海老沢有道、「三要文」(『日本キリスト教歴史大事典』、教文館、1988年)。
事典項目としてはこれのみ。その他のキリスト教辞典には三要文の項はない。『キリスト教大事典』にも『岩波キリスト教辞典』にもない。

(2)加藤常昭、「改めて問う、三要文の位置と意味」(『季刊教会』No.50、2003年春)。
三要文の日本における歴史と教会における三要文の意義について述べられていて、重要。礼拝の中での主の祈りの位置についても述べられている。「三要文によって、私たちの教会は、その公同性を確保する。それによって洗礼入会の手続きを整えることによって、教会員は、世界の教会の一員となる。」ネット上にテキストファイルあり。

(3)秋山憲兄、『本のはなし――明治期のキリスト教書』、新教出版社、2006年。
p.61で、ヘボン・奥野昌綱訳(1891、2年頃)の『三要文』のトラクトが紹介されており、主の祈りと使徒信条が読みやすく引用されている。(なお、2008年の増補改訂版があるらしい。)

 その他、佐波亘編、『植村正久と其の時代』第4巻(教文館)を見る。また、海老沢有道は、村田百可「ヘボン訳三要文に就いて」(『基督教史研究』第2巻、1939)を挙げている。

3.三要文についての関心は、
(1)礼拝の中でそれぞれがどう用いられてきたか、
(2)カテキズム教育の中でそれぞれがどう位置づけられてきたか、そして、
(3)教会の言葉・信仰の言葉・いのちの言葉としての意義(この面は加藤常昭の文章で特に印象づけられた)。
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