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カント「永遠平和のために」(4) [読書メモ]

3.気になる言葉のメモ (2)「追加条項」より

人類が永遠平和に向かうことを保証するのは、摂理あるいは「自然」である。:
 永遠平和を保証するのは、「偉大な芸術家である自然」である。この自然は、運命と呼ぶこともできれば、摂理と呼ぶこともできよう。しかし、人間があたかも摂理を認識できるかのごとくに振る舞って摂理という語を使うよりも、自然と言った方が、人間の理性の限界を考えると適切であり、謙虚でもあろう。(第一追加条項より)

 言語と宗教の違いは、諸民族のうちにほかの民族を憎む傾向を育み、戦争の口実を設けさせるものではあるが、一方では文化を向上させ、人々が原理において一致して、平和な状態でたがいに理解を深めあうようにする力を発揮する。・・・(このように)自然は賢明にも、(一方で)諸民族を分離させて(おり)、他方では、・・・たがいの利己心を通じて、諸民族を結合させているのであり、これなしで世界市民法の概念だけでは、民族の間の暴力と戦争を防止することはできなかっただろう。・・・自然はこのような方法で人間にそなわる自然な傾向を利用しながら、永遠平和を保証しているのである。もちろんこの保証は、永遠平和の将来を理論的に予言することのできるほどに十分なものではないが、実践的な観点からは十分なものであり、・・・。この目的に向かって努力することが、われわれの義務となっているのである。(第一追加条項より、中山訳、p.208-210)

国家は哲学者の言葉に耳を傾けよ。(第二追加条項より)

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