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カント「永遠平和のために」(3) [読書メモ]

3.気になる言葉のメモ (1)「予備条項」、「確定条項」より

平和とは、すべての敵意をなくすこと。(中山訳、p.149)
平和とは一切の敵意が終わること。(宇都宮訳、p.13)
平和というのは、すべての敵意が終わった状態をさしている。(池内訳、p.54)

常備軍が存在すると、どの国も自国の軍備を増強し、他国よりも優位に立とうとするために、限りのない競争がうまれる。(中山訳、p.152)

戦争とは、・・・暴力によって自分の権利を主張しようとするもの。(中山訳、p.156-7)

敵対行為が発生しているというわけではないとしても、敵対行為の脅威が常に存在する状態のほうが「自然状態」であるので、平和は新たに創出すべきものである。(第2章の確定条項の冒頭部分)

国家の形式を区別するには二つの方法がある。
 A 国家の最高権力を握っている人格の数の違いで区別する:「支配の形式」:支配する権力を握るのがただ一人か、数人か、市民社会を構成するすべての人であるかの三つの可能性があり、それぞれ、君主制、貴族制、民衆制と呼ばれる。
 B 元首の数を問わず、元首が民をどのような統治方法で支配するか、憲法に基づいて国家がその権力を行使する方法によって区別する:「統治の形式」:これによる区別には、共和的であるか、専制的であるかの二種類だけがある。共和政体とは行政権(統治権)が立法権と分離されている国家原理であり、専制政体とは、国家が自ら定めた法律を独断で執行する国家原理である。(第一確定条項より)

 「代議的でないすべての統治方式は、ほんらいまともでない形式である。というのは、立法者が同じ人格において、同時にその意志の執行者となりうるからである。・・・法の概念に適った統治形式は、代議制だけである。共和的な統治形式が機能するのは、代議制においてだけであり、代議制なしではその国家体制がどのようなものでも、専制的で暴力的なものとなる。」(第一確定条項より、中山訳、p.171、173)

 平和状態は、諸国家間の条約によらなければ、成立させることも保証することもできない。だから、「平和連合」(foedus pacificum)(中山訳は「平和連盟」)とでも呼べるような特別な連合がなければならない。これは「平和条約」(pactum pacis)(中山訳は「和平条約」)とは異なる。平和条約は一つの戦争を終結させようとするだけだが、平和連合はあらゆる戦争を永遠に終わらせることを目指している。(第二確定条項より)

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