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献品、献金、奉仕――しがみつかない献げ方 [教会]

(1)絵画や書
 教会員の絵画や書は、原則として飾るべきではない。ひとりに許すと、わたしもわたしもとなって、断れなくなる。
 わたしたちは、自分の芸術的作品が教会の中に置かれていることでもって、満足したり、受け入れられていると感じたりするのではない。わたしたちは、御子イエス・キリストによる罪の赦しと御国の約束に満足するのであり、この主に受け入れられていることに平安と喜びを見いだすのである。

(2)献品
 献品についても同じことが言える。“この備品はわたしが献品した”というところに満足してはならない。教会への献品は、神にお献げするのであるから、たとえ役員会などで誰からの献品かが報告されたとしても、本人は自分から言い広めないのが美徳だし、誰からの献品かを知っている人も、ことさらに褒めそやすべきではない。
 教会に献げた物は教会の所有物となる。教会にとってもう必要ないのに、“これは誰それさんの献品だから”などと言って処分できないというようなことがあってはならない。教会に献品するときは、不必要になったら処分されてかまわないということを弁えて、それを言い表しておく謙虚さが必要だろう。

(3)生花、奏楽などの礼拝奉仕
 これらのことは、礼拝の際に礼拝堂に飾る生花についても同様である。出来映えはともかく、礼拝のための自分の奉仕の業が目に見える形で現されているところに、満足や奉仕の達成感を見いだすのではない。たとえ、その奉仕を離れても、わたしたちは、ひたすらに神を礼拝するところから養われるのである。
 礼拝の音楽についても同様である。奏楽や聖歌隊の奉仕をすることが許されていることは、感謝すべきことである。しかし、その奉仕がなくなっても、わたしたちは良き礼拝者であり続ける。奉仕をすることで自己実現を図ってはならないし、奉仕そのものが生き甲斐になってはならない。人気のある精神科医が著した『しがみつかない生き方』という本が売れているようだが、奉仕にしがみついてはならない。

(4)説教
 説教も同様である。説教は、説教者の聖書解釈や考え、あるいは、教会員に向けて言いたいことを言うのではない。したがって、そういうところで説教者が生き生きとしていてはいけない。キリストの贖いの御業、復活の主との出会い、神の子とされ永遠の命を与えられ、御国の約束に生かされていることに、生き生きとしなければならない。

(5)献金
 さらに、献金についても言える。会堂建築とかオルガン献金とか、特別に大きな用途のための献金が呼びかけられることがあるが、何でもかんでも呼びかければ良いというものではない。“この備品はわたしの献金で購入した”ということを自慢げに話してはならないし、“この設備は誰それさんの多額の献金で整った”などということが教会の中で言い伝えられるようなことがあってはならない。
 日本の神社だか寺だかで、石柱の一つひとつに奉納者の名が記されていることがある。あるいは、アメリカで敷石の一つひとつに献金者の名前が彫られている教会を見たことがあるが、キリストの体なる教会としては、一般的には、そのようなことはすべきでない(「一般的には」と言うのは、その教会には何かその教会なりの特殊な事情や一般論を超えて妥当な特別な考えがあってそうしたのだろうと思いたいため)。
 比較的低価格の物は教会会計ですぐに購入できるし、土地や建物、あるいはオルガンなどの購入には、十分計画を立てて献金を積み立てていくことになる。そこで、その中間の、数万から数十万円程度の備品を購入するときに、注意しなければならないだろう。たとえば、台所関連の備品を購入しなければというときに、特に教会の台所の管理に思いを注いでいる人が、それならばわたしが献金しますという思いを抱いたら、どうすべきか。新しい音響設備を導入しようというときに、教会の音楽に多大な関心を抱いている教会員から、“それならばわたしが献金しますので、性能や音質、将来性などを考えて、もっとグレードの高いものを購入しましょうよ”という申し出を受けたらどうしたらよいだろうか。
 そもそも献金は、感謝のしるしであり献身のしるしである。献身においては、この身を主に預けて、どう用いるかは主に委ねる。そのように、献金の具体的用途は教会に委ねる。教会の活動や備品について、自分としてはこういうところに献金を用いて欲しいという思いがあっても、献金はそのような思いを断ち切って献げるものである。
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